お肌のトラブルの対処法と“かゆみ”に潜む重大病(1) (1/2ページ)
いよいよ師走。慌ただしさが増す季節だが、皮膚の乾燥と“かゆみ”に悩まされる時期でもある。原因は様々だが、あまりのかゆさに耐えきれず、ついつい掻きむしって皮膚に傷をつけ、細菌による感染症を発症することもあれば、腎不全などの機能障害を起こすこともあるという。
順天堂大学大学院医学研究科環境医学研究所所長で、かゆみの最新研究を行っている高森建二氏は、自らの著書で「かゆみは重大病のサイン」と記している。
かゆみを引き起こす主な原因は、肥満細胞から分泌される「ヒスタミン」という物質だ。これが皮膚中にあるかゆみを感じる神経に結合することでかゆくなる。代表的な病に「じんましん」があり、見た目も赤く腫れるなどの異変が起こるが、抗ヒスタミン薬を飲めばほとんどが治る。
しかし、それでも治らないかゆみもある。
「それを“難治性のかゆみ”と呼んでいます。主に皮膚の乾燥によって生じますが、保湿剤をいくら塗ってもまったく効かない場合は、重大病を疑わなくてはなりません」(高森所長)
つまり空気の乾燥が原因ではなく、体内に生じた病の影響により皮膚が乾燥して起こるかゆみが危ないという。その疑われる病は、いくつもある。中でも多くみられるのが、腎不全などの腎機能障害だ。
「慢性腎不全や尿毒症になると、『オピオイド』と呼ばれる体内物質のバランスが崩れ、オピオイド自身が、かゆみを抑えるオピオイドより多くなるのです。人工透析でも強いかゆさが続き、長年、多くの患者が悩まされてきました。しかし近年、かゆみを起こすオピオイドを抑える薬が開発され、救われた方もいます」
都内で皮膚科クリニックを開く日本皮膚科学会会員の木下和子院長は、重ねてこう言う。
「難治性のかゆみとしては、他にも、肝硬変や肝臓を患うことで併発する原発性胆汁性肝硬変もあります。肝臓の中の胆管が炎症によって破壊され、胆汁中のビリルビン成分が全身に回り、激しいかゆみを生じさせるのです。