社会人の常識! 敬語「申す」の正しい使い方とは 【もう間違えない! 定番ビジネス敬語集】

フレッシャーズ

ビジネスシーンでは敬語使用がマストとされていますが、多くの場で誤った敬語が使用されているのをご存知ですか? その中でも最も多い誤りは「申す」「申し上げる」という敬語です。日常的に使用される敬語ですが、誤った使い方をしていませんか? さっそく、チェックしてみましょう!

■「申す」の意味とは?

敬語には、尊敬語、謙譲語、丁寧語がありますが、「申す」と「申し上げる」はともに「言う」「話す」の謙譲語です。謙譲語には「謙譲語1 」と「謙譲語2」があり、「申す」が謙譲語2、「申し上げる」が謙譲語1に分類されます。

「申す」が分類される謙譲語2は丁寧語とも言われ、話し相手に対して丁寧に述べることで相手の立場を上位にする表現方法です。そのため、敬意を示すべき上司や取引先の行動を述べるときには用いることはありません。通常、「○○と申します」「論より証拠と申しますが……」などと使われます。
「申し上げる」が分類される謙譲語1は、話し手が自身の行動をへりくだって述べることで、話題としている相手の立場を上位にする表現方法です。ビジネスシーンでは、「部長に申し上げた通り…」などと使われます。
謙譲語1は自分の行為を強調し、謙譲語2は行為が向く先があることが両者の違いと言えるでしょう。

■「申す」「申し上げる」の使い方とは?どんな誤りが多い?

では、実際ビジネスシーンで、「申す」はどのように使われているのでしょう?
下記の例文のように、「言う」の尊敬語「おっしゃる」「言われる」を使わなければならない場面で、「申す」と言ってしまうケースが多く見られます。

☓「(取引先の)○○様が申しておりました」
○「(取引先の)○○様がおっしゃっていました」

また、「申し上げる」も「社長が申し上げた通りです」と使う人が多くいますが、正しくは「社長が言われた通りです」「社長がおっしゃる通りです」等となります。
「申す」と「申し上げる」の使い分けのポイントは「自身の行為が向かう先の有無」です。向かう先があれば「申し上げる」を使い、向かう先がない自身の行為については「申す」を使うと覚えておきましょう。
また、謙譲語と尊敬語の使い分けは、謙譲語が「自分のこと」、尊敬語が「相手のこと」として使い分けることができます。

「申す」「申し上げる」の例文


上記でも例文を紹介していますが、もう少し詳しく例文を見ていきましょう。誤った使い方をしている場合は、言い換えの例を参考にしてみてくださいね。

<「申す」の正しい使い方の例文>
・「部下の○○と申すものがおじゃまいたしますので、よろしくお願いいたします」・社外の人に「課長が申しておりました」
社内で敬意を表す対象となる課長でも、社外に対しては謙譲語を使用しなければなりません。

<「申す」誤った使い方の例文>
☓相手が何かしら述べた後で「と、申しますと?」
○「と、おっしゃいますと?」

<「申し上げる」の正しい使い方の例文>

・「平素より格別のお引き立てを賜り、厚くお礼申し上げます」
・「御社の△△部長に、弊社の○○が申し上げた通りです」

<「申し上げる」の誤った使い方の例文>
☓「部長にも申し上げておきます」
○「部長にも申し伝えておきます」

「申す」「申し上げる」についてご紹介しましたが、誤った使い方をしていませんでしたか? ビジネスシーンで多用される誤りは「申す」「申し上げる」だけではありません。これを機会に、自分が使用している敬語が正しいのか見直してみてはどうでしょう。

文・学生の窓口編集部

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