後世に伝えたい「ニッポンの大ヒット映画」女優!(2)「由美かおる・同棲時代-今日子と次郎-」 (1/2ページ)

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後世に伝えたい「ニッポンの大ヒット映画」女優!(2)「由美かおる・同棲時代-今日子と次郎-」

 まだ流行語大賞などない時代だが、73年公開の「同棲時代-今日子と次郎-」(松竹)は、若者たちのライフスタイルを変えるほど影響を与えた。主演の由美かおる(66)もまた、女優として大きな分岐点となった。

「皆さんの話題になった映画のポスター、顔だけ強張った表情をしているでしょ? 私は脱ぐのは初めてで、お話をいただいてから1週間も悩みました」

 清純派のアイドルが一糸まとわぬ姿を見せた衝撃は、戦後の芸能史でも特筆に値する。そんな由美が映画と初めて向き合ったのは66年のこと。まだ15歳ながらB86・W58・H86と抜群のプロポーションを誇り、網タイツ姿で「11PM」(日本テレビ系)に西野皓三氏の企画・構成・振付の歌と踊りで出演すると、状況が一変したという。

「局に『あのトランジスタグラマーの子は誰だ?』と電話が殺到したそうです。その中の1本が石原裕次郎さんからで、自分の映画に相手役として出演してほしいと。15歳の新人は、ただただ裕次郎さんのカッコよさに見惚れるばかりでした。映画デビュー作の『夜のバラを消せ』(日活)では、私は兵庫県育ちなので関西弁を標準語に直し、しかも、たくさんあるセリフに苦労しました」

 やがて、数多くのドラマや映画、そして日本中にホーロー看板が貼られた「アース渦巻」のCMなど、若者のアイドルとして活躍。そして主演作で公開されたのが「同棲時代」である。

 上村一夫原作の劇画はベストセラーとなり、大信田礼子が歌った主題歌も大ヒットし、新語である「同棲」は社会現象になった。由美は広告代理店に勤めるOL・今日子に扮し、売れないイラストレーターの次郎(仲雅美)と同棲を始める。やがて2人は、今日子の妊娠・中絶など、若さゆえの不安定な日々を送るようになる。

「私は23歳でしたから『同棲』という経験もありませんし、初めてのベッドシーンもどう演じていいかわからない。山根成之監督に『はい、こっち向いて、1、2、3、4』と言われるまま、バレエのカウントを数えるような形で、無我夢中で演じていました」

 そして立ち姿でヒップとバストを同時に見せたポスターは、街のいたるところで盗難が相次ぐ人気となった。

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