北朝鮮の4人家族の生活費は1万1000円…金持ちは「サウナ不倫」など退廃的生活 (2/2ページ)

デイリーNKジャパン

デイリーNK編集部が韓国内で定期的に行っている、1年以内に韓国に来た脱北者へのインタビューによると、現在の北朝鮮で家族4人が1日3食をきちんと食べ、衣食住に大きな不足が無い生活をする場合に必要な金額は、毎月400元(約6700円)から700元(約12,000円)だ。

これくらいの現金収入があれば、月に数度ではあるが豚肉が食べられ、季節にあった服を着ることができる。平均11,000円(約650元)という韓国発表の統計はこの範囲に収まっているため、妥当と見ることができる。

ただ、見逃してはいけないのはあくまで平均であるという点だ。北朝鮮の経済構造は歪で、貧困層の女性が売春で家族を養うなどの現象は過去より増えているとも言われる。

人権無視の過酷な労働環境を承知で、海外派遣に応じる労働者が少なくないのも同じ事情からだ。

北朝鮮の事情をよく知る脱北者記者のミン氏(仮名、40代男性)は、「400元以上を稼げる住民は、全体の6割程度に過ぎないだろう。そのほとんどは、商売がある程度の規模で行われている都市部で生活する人のはずだ」と推測する。

ミン氏はさらに、平均以下の収入で生活する住民は「農村部に住む農民が多い」と指摘する。その上で、「農民は農地にしばりつけられ、報酬も農作物で支払われるなど現金収入を満足に生み出せない構造のなか、封建時代の農奴のように働かされている。彼らの困窮ぶりに注目するべきだ」と警告する。

「2016北朝鮮の主要統計指標」に、北朝鮮の農村人口の割合は出ていない。2008年以降は空白のままである。ただ、2008年以前の数値を見ると36.8%とある。北朝鮮は軍や首都・平壌への食糧配給を優先しているため、今もこの水準を大きく外れることはないだろう。

その一方、富裕層の間では「サウナ不倫」や「覚せい剤ダイエット」などの退廃的な流行が起きている。北朝鮮のサウナには、「夫婦湯」と呼ばれるVIPルームがあるのだが、本来は夫婦であることの証明がなければ入れないのに、富裕層はカネに物を言わせ、愛人と入り浸っているのだ。

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