最初から片道切符だった。宇宙飛行に初めて行った犬、ライカにまつわる10の悲劇 (4/7ページ)

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 ヤツドフスキー博士は家でライカを子供と遊ばせた。この子の地球最後の日の前日に、優しい家族に飼われた犬としての人生を経験させるためだ。「何かいいことをしてやりたかった。残された時間はわずかだったから」とヤツドフスキー博士は述べている。

 朝、ライカはロケットに乗せられ、宇宙へ打ち上げられ、二度と戻ってこない。ヤツドフスキー博士は打ち上げ場へライカを連れて行き、チームの仲間と一緒に別れを告げた。

 「ライカをコンテナに入れ、ハッチを閉めてから、みんなで鼻にキスをして、旅の無事を祈った……無論、行きて帰ってこないことは承知していた」とチームの1人が後に話している。・5. ライカは怯えていた


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 その日、ライカは打ち上げられなかった。3日間を宇宙船に閉じ込められたまま地上で待機していた。不具合が見つかり、修理が終わるまで動くこともできず、凍えるような気温の中に置かれた。

 科学者たちはできる限りの世話をしている。ホースでエアコンの風を送り温め、ヤツドフスキー博士のチームも常に気を配っていた。そして、ついに1957年11月3日、ライカは打ち上げられた。

 宇宙船が爆音を響かせて宇宙へ上昇したことでライカはパニックに陥った。心拍数や呼吸数は通常の3倍まで上がり、何が起きているのか必死に理解しようとしていた。

 無重力になった頃、ライカは落ち着きを取り戻した。地球の歴史上初めて生き物が宇宙空間を漂い、大気圏の外から地球や星々を見つめていた。心拍数は下がり、緊張も和らいだが、それでも地上にいたときの心拍数は超えたままだった。
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