沖縄に伝わる「アジクェーグヮンス」 別名「預かり位牌」とは? (1/2ページ)

心に残る家族葬

沖縄に伝わる「アジクェーグヮンス」 別名「預かり位牌」とは?

筆者が執筆した記事で「無縁仏」という言葉を使う場合、引用文以外は極力括弧を付けて書き、更にはできるだけ「どのような意味合いか」の注釈を付けるようにしている。 なぜ、このような表現にするかというと、この「無縁仏」という言葉は、実は時代的宗教的な背景、あるいは時と場合によって、かなり違う意味合いになってきた歴史があるからである。更にいうと、そもそも本来の仏教に由来する概念ですらない。

■無縁仏は「供養する方がいない死者」という意味だけではない

現代日本では「無縁仏」という言葉は主に「いわゆる『墓を守る身寄り』のない死者」の意味で使われる。しかし、それは決して普遍的でも絶対的でもなかったのである。

ところが、現実ではこの「『墓を守る身寄り』のない死者」という意味の「無縁仏」イメージが、絶対化してしまっているきらいがある。その結果、この意味合いでの「無縁仏」概念が呪縛となり、様々な抑圧やトラブルの要因になってしまっている面も、少なくない。

このことは、一度何らかの形できちんと問い直されることが、必要なのではないか。そう考えているからこそ、筆者は「無縁仏」という言葉を扱う際には、「どのような意味合いか」ということを、極力明らかにして使うよう心掛けている。

■無縁仏と似た「アジクェーグヮンス」とは?

ところで、そうした現代日本的な意味の「無縁仏」概念と、共通点もあるが少し異なる概念が、沖縄には幾つか伝えられている。その概念とは、「イナググヮンス」や「アジクェーグヮンス」、「ウヤヌフチュクル」などである。

「イナググヮンス」と「ウヤヌフチュクル」については、長くなるためまた稿を改めて書こうと思うが、「アジクェーグヮンス」は、挙げた中でも特に、現代日本で使われる「無縁仏」概念との共通点が多い。そのため、ここで書こうと思う。

■供養する方がいない位牌を一時的に親戚等に預けることを言う

アジクェーグヮンスは、いわゆる標準語では「預かり位牌」などと呼ばれる通り、「預かられている位牌」や、その位牌の主である死者を指す。

沖縄の伝統的な位牌は、いわゆる「先祖代々の霊」を祀るものである。その位牌が、なぜ「預かられる」のか。

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