金正恩氏のマブダチが企画する「氷上の妖精」大会 (2/2ページ)

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今年の大会にも、オリンピックの金メダリストや、ヨーロッパなどの国際主要大会で入賞した選手など、国際的なフィギュアスケート選手8人から参加の確約を取り付けたとしている。このように、それなりの人脈と企画を成立させる能力をもっているスペーバー氏だが、過去には「大ぼらを吹いた」経歴を持つ。

スペーバー氏は、昨年3月の平壌国際アイスホッケー親善大会の窓口となり、ナショナル・ホッケー・リーグ(NHL)所属の有名選手が参加すると発表した。しかし、カナダの民放CTVや米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に、誰が参加するのかを明らかにしなかった。結局、参加したのはアマチュア選手14人だけだった。

こうした過去を持つスペーバー氏だが、カナダの週刊誌マクリーンズは2013年12月の記事で、彼のことを「北朝鮮に信頼され、物事を進められる稀有な人物」とし、その人物像を詳しく報じた。

カナダのアルバータ州カルガリー出身のスペーバー氏は、2005年にバンクーバーのNGOから平壌の学校に半年間、英語教師として派遣されたことをきっかけに、北朝鮮と深い関わりを持つようになった。北朝鮮訛の朝鮮語を操り、現在は中国吉林省朝鮮族自治州の延吉市に在住しながら、北朝鮮のビジネスコンサルタントと文化、教育、スポーツ交流を行う白頭山文化交流社を運営している。

詳細は明かせないが、彼を知る人物の証言や周辺情報をまとめると、金正恩氏が心を開く数少ない人物、すなわちマブダチであることは間違いなさそうだ。ということは、なかなか伺い知ることの出来ない正恩氏の一面、例えば現地指導の際、一般のトイレを使用できず、専用車のベンツに「代用品」を載せて移動しているなどのトップシークレットも知っているのだろうか。

スぺーバー氏が北朝鮮に深く関わる動機は、北朝鮮という国にビジネスチャンスを見いだしたことかもしれない。しかし、単なる金儲けなどではなく何らかの形で北朝鮮と国際社会の橋渡しになりたいという純粋な思いも持っていると聞いている。

もし、そういう思いを持ち、なおかつ金正恩氏とマブダチ関係にあるとするなら、ロッドマン氏のような素行不良で名をはせる有名人ではなく、もう少し北朝鮮と正恩氏のイメージアップに貢献するような有名人を北朝鮮に招請してほしいものだ。

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