【不朽の名作】ハードSF邦画作品として色々な意味有名な「さよならジュピター」 (2/3ページ)

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 『宇宙からのメッセージ』を例に出せば、『スター・ウォーズ』には到底及ばないチープな演出が指摘される作品だったが、深作欣二監督の時代劇やヤクザ映画を意識したノリや、ジャパンアクションクラブのアクション面でのアクの強さで、突き抜けた個性のある作品としては評価されている。しかし本作は「ハードSFモノ」なのか「恋愛モノ」なのか「パニックモノ」なのか、イマイチわからなくなっており、これと言った核になるものがない。本来はハードSFなはずなのに気合が明後日の方向に向かっているのだ。

 本作の脚本を練る際に何度も会議を重ねた結果こうなったらしいが、正直「どうしてこうなった!?」状態だ。まあ、最近の邦画やテレビ番組でもスポンサーや方々の偉い人の意向などで、似たような結果になることがあるので、珍しい例とは言えないが、本作の場合、小松が設立した株式会社イオが製作に東宝と共にクレジットされているという、大鉈を振るえるポジションにいるのにこうなっている点がかなり不可解だ。小説と映画というメディア違いは、ここまでおかしな方向に作品を持っていってしまうのか…。

 まず、複線を回収をする気がないのかと疑う展開が顕著だ。作品的に、おそらく本来重要だったはずの、ブラックホールと、地上絵やジュピターゴーストを残した異星人の因果関係がさらっとセリフの一部に盛り込まれるだけなので、普通に流し観をしていると、下手すると訳わからないまま終わる。このせいで異星人の話は投げっぱなしになっているような余計な誤解も生んでおり、酷評の声が大きくなる原因を作っている。他にも文字説明が多いのがかなり気になる。映画が始まった直後から文字での説明を入れるなど、Vシネマのホラーモノかよとツッコミを入れたくなってくる。無理矢理ヒッピー軍団との、光線銃での戦闘を入れる暇あったら、他の部分をなんとかすべきだったのではないだろうか。

 そして、この作品で一番問題なのが、ストーリーの大筋とあまり関係ないところでの絵的に強烈な演出だ。英二の友人が観ているゴジラ映画のシーンも必要性を全く感じない。さらに、いきなりサメパニックモノになる目まぐるしい場面転換や、ヒッピーが奏でるイルカを弔う歌、世界連邦大統領役の森繁久彌の笑いを誘うコスプレ姿など、鑑賞者を混乱させる要素がてんこ盛りなのだ。
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