本好きリビドー(141) (1/2ページ)
◎快楽の1冊
『東京どこに住む? 住所格差と人生格差』 速水健朗 朝日新聞出版 720円(本体価格)
2020年の東京オリンピックに向けて、都心は今回帰しつつある。マンションの建設ラッシュが続き、一極集中は依然として止むことはない。'15年の住民基本台帳人口移動報告(総務省統計局)によると、東京都の日本人人口社会増(転入超過)は8万1696人増。特徴的なのは地方から都心へ、そして都心の中でもより中心地に人気が集まっている。
本書の著者は東京の住宅事情の常識だった「西高東低」が変化し、都心回帰が進んでいると主張する。かつて進学や就職で上京した時の部屋選びの第一候補が「中央線」だったという読者も多いだろう。阿佐ヶ谷、高円寺、荻窪、西荻窪、中野。しかし、今や東京の人口減少ワースト5がこれらの街というのだから驚きだ。
では、人々は今何処に向かっているのか? そのキーワードは「食住接近」だ。サードウェーブコーヒーの先駆として「ブルーボトルコーヒー」が清澄白河にオープンしたのは'15年2月のこと。なぜ、渋谷や新宿ではなかったのか? 今やこの界隈はコーヒー店がいくつも軒を連ね、おしゃれなデートスポットとして賑わっている。そんな街の雰囲気に魅了されて人々が移り住んでくるのだ。チェーン店居酒屋やコンビニが近くにあるから、などという理由で住居を選ぶ人は、もはやとうの昔に絶滅していると言っていいだろう。
おしゃれなコーヒー店、仕事帰りに気軽に立ち寄れるバル、昭和の面影残る角打ち居酒屋や焼き鳥屋。これぞ筆者の言う「食住接近」だ。今や東京の人口増加ベスト5に入る人形町は、空港へのアクセスのいい東京シティエアターミナル近く。下町の雰囲気を残す町並みに溶け込んだワインバーには、仕事帰りのCAさんが1人グラスを傾ける姿も。そう、人が集まる街にはロマンスすら抱かせる可能性だって秘めているのだ。
(小倉圭壱/書評家)
【昇天の1冊】
日本史の陰に隠れた隠微でハレンチなトピックスを集めた1冊が『教科書が教えてくれない18禁の日本史』(宝島社/800円+税)だ。歴史上の名高い人物の性生活が数多く掲載されている。
有名なところでは、徳川の歴代将軍たち。