【日本人が知らないニッポン】小田原の梅が彩る古の武術「流鏑馬」 (1/2ページ)
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JR御殿場線下曽我駅の近くに、曽我梅林という場所が存在します。
毎年2月から3月にかけ、ここでは『小田原梅まつり』が開催されます。ちょうどこの時期が、小田原での梅の見頃です。
咲き誇る梅の花を背に、地響きのような蹄の音が聞こえてきました。大きな弓を持った騎馬武者が、こちらに向かってきます。
このイベントの恒例行事、武田流馬上弓術です。
・和弓は世界随一
流鏑馬と呼ばれているこの武術は、世界で最も長大な弓を使用します。
和弓は極めて特異な形状です。握りを中心にした上下が非対称で、一見とてもバランスが悪そうです。ですが弓道の達人に言わせれば、「これが最もバランスの取れた上下比率」とのこと。また、下が短いため馬上弓としても利用することができます。
そういえば、モンゴルや中央アジアの騎馬弓兵が持っている弓はいずれも短弓です。
14世紀から15世紀にかけてのヨーロッパで繰り広げられた百年戦争では、イングランド軍がロングボウという2m級の長弓を活用しました。ロングボウの運用方法は、何十人という数で横一列に並んでひたすら連射するというもの。ですが馬上での使用は想定されていません。だから上下比率はまったく同じです。
つまり「馬に乗った状態での運用」と「弓の長大化」は、本来矛盾する要素なのです。それを両立させた和弓は、世界戦争史上他に例のない兵器でもあります。
・武道は神事
流鏑馬は、弓術競技のみを指すものではありません。
日本の武道は、神事としての要素を含んでいます。我々の国の文化行事は、すべて宗教的儀式と一体であることを忘れてはいけません。