マンガ家、編集者ら17人が語る「うつ」というトンネルの抜け出し方―異例のベストセラー『うつヌケ』 (1/2ページ)

新刊JP

『うつヌケ』(KADOKAWA刊)
『うつヌケ』(KADOKAWA刊)

今、『うつヌケ』(KADOKAWA刊)という本が話題を呼んでいる。

本書はマンガ家の田中圭一さんが、自身のうつ病脱出体験をベースに、うつ病からの脱出に成功した様々な著名人――ロックミュージシャンの大槻ケンヂさんやAV監督の代々木忠さん、小説家の宮内悠介さん、研究者の内田樹さんなどを取材。自身の「うつヌケ」体験を語ってもらうドキュメンタリーコミックだ。

マンガということもあり、とても分かりやすく「うつ」の苦しさやその回復のたどり方を知ることができる。それは、「なぜうつになるのか」「立ち直るきっかけ」「再発のとき」の3つが、どのエピソードにおいても明確に描かれているからだろう。

作者の田中圭一さんは、マンガ家と兼業でサラリーマンとして働いていた。「仕事をしている自分が好き」であるほどの働きづめの毎日を送っていた。転職後は畑違いの仕事をこなすことになるものの、がむしゃらに頑張り、入社すぐに大きな成果をあげる。

これが10年にわたる長いトンネルの入り口だった。

その仕事が自分に向いていないのは分かっていたが、その思いにフタをして「もっとがんばらねば」とハードルを上げる田中さん。しかし、その頑張りとは裏腹に営業成績は落ちていき、会社の人たちからのあたりは厳しくなる。

そんな彼の「うつ」の引き金になったのは「自己嫌悪」だった。

脳が「濁った寒天」に包まれているような感じが続き、医者には「一生もの」のうつと言われた田中さん。それでも休むわけにはいかないと仕事をしていたそうだ。

それからしばらく経って、田中さんはコンビニでとある本を手にする。それは、精神科医自身が「うつ」になり、自ら考えた方法で脱出したという内容だった。そこで、10年にわたり自分を悩ませた「うつ」の正体を知り、自分自身の「うつ」の退治方法を見つける。それは「自分を好きになる」ということだった。

ようやくトンネルを抜けた田中さんだったが、その後、突然「うつ」がぶり返してくる時があった。一体なぜなのか。

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