世界のラグビーを語る。~コーチの目・田邉淳編~ (2/4ページ)
でも、他の選手は誰もブランコって言っても反応しなかったな。もっとも僕にしても、ビアリッツがブランコの地元だっていうことも知らなかった。フランスに詳しかったわけじゃないです。
――田邉さんは日本代表で五郎丸選手と日本代表FBのポジションを争い、トップリーグの得点王やベストフィフティーンを争ったライバルでもあります。五郎丸選手のフランス挑戦をどうご覧になっていますか?
日本の選手が外国に行くのは五郎丸が初めてじゃないけれど、日本代表の中心選手で、しかもゴールキッカーを務めている選手というところに意味があると思いますね。日本の選手が海外のトップクラブでキッカーを務めたら、日本でラグビーをしている子どもたち、小中学生、高校生でキッカーをしている選手たちにとって、すごく大きな目標になる。
特にフランスTOP14は、1試合平均で1万5000人の観客が入るという、世界一集客力のあるリーグですから。それだけの注目を浴びて、プレッシャーもかかる中で、日本人選手がゴールキッカーを務める。そんな場面をぜひ見てみたいです。
――田邉さんは15歳から25歳までニュージーランドで過ごしたわけですが、ラグビーの位置付けも日本とはだいぶ違うのでしょうね。
スポーツを楽しむことが生活に根付いていますね。スタジアムにしてもラグビー専用のところがほとんど。日本は陸上用のトラックがあるところが多い。そこが一番の違いですね。ニュージーランドに限らず、オーストラリアでもヨーロッパでも、ほとんどのスタジアムで観客とグラウンドが近い。スタジアムにはコーポレートボックスがあったりして、ビジネス上の社交の場にもなっていますよね。
その中でもフランスの場合は、資金が豊富で海外の選手を積極的に獲得していますよね。まあ、フランスTOP14でプレーしている選手の中で、フランス代表資格のある選手は40%くらいしかいないと聞いたことがあります。
コーチングの分野で言うと、ニュージーランドでは選手の育成について、国全体でコーチングマニュアルが確立している。オールブラックスのコーチ陣だけでなく、ニュージーランド中のコーチが全員、オールブラックスが求めている選手を育成するというコンセンサスが徹底しているんです。