木村拓哉が主演のはずが?出番激減で「A LIFE」第6話が最高視聴率

デイリーニュースオンライン

TBS日曜劇場「A LIFE~愛しき人~」公式サイトより
TBS日曜劇場「A LIFE~愛しき人~」公式サイトより

 木村拓哉(44)主演のドラマ「A LIFE~愛しき人~」(TBS系)第6話が19日に放送され、平均視聴率は番組最高の15.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)となりました。

 第6話は、檀上記念病院に運ばれてきた患者が、病院の顧問弁護士を務める榊原実梨(菜々緒)の父親であったことに端を発したストーリー。子供の頃に受けた仕打ちで父を許せない実梨は、医師に対して「オペには同意できません」と一言。その後手術に同意するも、今度は自他ともに認める力量不足の医師・井川(松山ケンイチ)に手術を託すと言い張ります。何があっても井川以外が手術に手を出したら病院を訴えると宣言して引かない実梨。手術自体は井川が周到に準備をしていたおかげで不測の事態にも対処でき、無事に患者の命を救うことができました。

 というのが軸のストーリーですが、どう見ても曲がりなりにも医療ドラマとしての体裁を整えるために半ば無理やり作った話で、このエピソード自体にはさほどの意味もなく、井川先生の意外な成長ぶり以外には大した見どころもありませんでした。それとは対照的に、その周囲で繰り広げられるクセの強い人々によるドタバタ劇は、脚本家も役者もノリノリな感じ。第4話あたりから顕著になってきた、人格が破たんしたような人物たちが気ままに行動するネタドラマ路線が意外と好評だったため、そちらにドラマ全体の舵を大きく切ってきたように思えます。木村拓哉の出番と台詞が少なくなり、ドラマとしての一貫性よりも登場人物の突飛な言動によるインパクトを重視した結果、視聴率が上がったというのも皮肉と言えば皮肉な話。「医療ドラマとしてはつまらないが、役者が大まじめに演じるコントとしてはかなりおもしろい」と思っている視聴者も少なくないのでは。

 特に、毎回視聴者を笑わせてくれる浅野忠信の功績は表彰モノ。院長の娘と結婚して副院長となったものの、院長にはいつまで経っても経営者として認めてもらえず、妻は元カレにまだ思いを残しているような様子が見え隠れ。心の逃げ道にしていたとおぼしき浮気相手の実梨も、わけのわからない要求で病院を困らせてきたり。おまけに、沖田(木村拓哉)といい羽村(及川光博)といい、自分に楯突く医者ばかり。小悪党っぽく描かれていた副院長ですが、これだけ心労の種が多かったらそりゃ仕方ないわと同情したくなります。

 今回も、実梨が出してきた手術同意の条件書に目を通して「こんなの無効だ! ちよっと弁護士呼んでくれ。……あ、そっか」に笑わなかった人はいないはず。関係を終わりにしてもいいと言う実梨を引き留めるわけでもなく詫びるわけでもなく、ちょうどいい厄介払いができたと言わんばかりに「ありがとう」の一言で済ませたのもなかなかの笑いどころでした。壁に飾っていた絵を投げつけようとして、やっぱそれはやめておこうと思い留まった演技も秀逸。

 ネット上でも、「主役はまさお(壮大=浅野忠信の役名)」「まさおを見るためにこのドラマを見ている」などの声がちらほら。木村拓哉演じる沖田の背景がそれほど掘り下げられていないのに対して、副院長・壇上壮大の背景や周囲はこれでもかというくらいに描かれていることからして、「主役はまさお」との評はあながち間違っていないように思われます。

 それにしてもなんだか消化不良気味だったのは、このドラマにおける弁護士・実梨の存在意義。副院長にも捨てられて今回で退場かと思いきや、次回予告にも登場しています。彼女の存在意義は、浅野忠信をおもしろくさせる要員ってことですかね……。

文・中島千代

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