ソフトバンクvs楽天 親・反トランプで勃発した「野球戦争」 (2/2ページ)

週刊実話

これは、パ・リーグ6球団の合弁会社がFOXスポーツ台湾と放映権契約を結び、テレビ放映してきた成果である。
 「中でも、親会社・楽天がいち早く台湾で業務展開している楽天イーグルスは、相乗効果により人気が高い。昨オフ、結果的に巨人に奪われたものの、日本ハムからFA宣言した陽岱鋼の獲得に乗り出したのも、台湾市場を見越してのこと」(スポーツジャーナリスト)

 話を戻すと、その楽天に、ネットショッピングも手掛けるソフトバンクが一気に畳みかけるという構図なのだ。トランプ大統領は「一つの中国」政策に一応は認めたが、台湾独立を支持していた。その台湾財界に強い影響力を持つのが鴻海で、孫氏は同社と連合することで台湾のネット関連事業を制する考えだという。
 一方、ハーバード大学大学院でMBAを取得しているリベラル派の三木谷氏は、グーグルやニューヨーク・タイムズなどの先鋭的経営者と同様、難民や移民の入国を制限する大統領令を非難したことで知られている。1月30日に自身のツイッターでは「今、米国で起こっていることは寂しすぎる。特定の宗教、特定の国だけを差別的に一律排他することがあっていいのか?」「アメリカに大感謝しているけど、これは許されないと思う」と発信。孫氏とは対極の動きを見せていた。

 もっとも、今回の安倍首相のゴルフ外交に警戒心を強めた中国の習近平国家主席は、首相が会談前にトランプ大統領と初めて電話会談を行っている。中国本土と台湾は不可分とする中国に対し、大統領は前述したように「一つの中国政策を尊重する」と述べた。台湾独立支持を翻し、突然の方向転換を見せたのだ。
 中国の電子取引大手アリババの株式を27%保有するソフトバンクにとっては、これも想定内だったのか、「米球界進出」を目指すという情報もある。

 そんなところへ、偶然なのか、米フロリダから「イチローが所属するマーリンズが球団売却」するというニュースが飛び込んできた。米経済紙『フォーブス』によれば、すでに基本合意に達しており、売却額は16億ドル(約1813億円)。購入先は、トランプ大統領の上級顧問を務めるジャレッド・クシュナー氏を中心とする投資家グループという。
 「マーリンズの売却話が出たのは、くしくも安倍首相が渡米していた時期。現地では『日本と孫氏へ大統領からのプレゼント』という噂も囁かれている」(前出・ジャーナリスト)

 だが、孫氏の本意は、台湾でのプロ野球人気を橋頭堡に「中国でのソフトバンク人気を高め、事業を優位に進める」ことにあり、その思惑は三木谷氏も同じはずだ。「親トランプ」と「反トランプ」のせめぎ合いは、今後も激しさを増すばかりだ。

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