サンウルブズ、スクラム道場で鍛える。

ラグビーリパブリック

 「ジウォンもっと我慢、我慢」「浅堀、低く前へ」

 サンウルブズが2月25日のスーパーラグビー開幕戦(対ハリケーンズ)へ向けて準備に余念がないグラウンド。片隅で1対1のスクラムを組むPR3人と声をかけるコーチがいた。

 サンウルブズ2年目の具智元(22歳)、初参加の浅堀航平(23歳)と山路泰生(32歳)。コーチは長谷川慎だ。

 全体練習が終わったあと3人に1対1のスクラムの基本、押し方を教えた。

「ひざから下で耐えて押せ!」

「胸を張って」などの声が飛ぶ。

 3人はグラウンドの10メートル付近からゴールラインまで1本組んだら、少し移動しながら15分間ほど組みあった。そして最後の全体挨拶を終えてからも10分間弱、取り組んだ。

 昨年の日本代表欧州遠征からスクラムコーチとして帯同した長谷川コーチ。今季はサンウルブズのスクラム創建に取り組んでいる。特に昨年の日本代表に選出されなかった若手などに、日本代表、そしてサンウルブズのスクラムの精神を注入する。

 具の弱点をさっそく見抜いた。

「気持ちが優しい。強いのに相手に合わせてしまっている」

 練習で体の使い方をていねいに見せて教えた。

 具は「まだまだです。負けている」と壁にぶつかっている様子だ。長谷川コーチは「負けて悔しいと思う気持ちを外へ出して欲しい」と、もう一段の成長を願っている。

 浅堀はサンウルブズに初めて呼ばれた。

「えー自分が!? という驚きがあった。長谷川さんからは『低く組み前へ押すように』といわれています」

 浅堀は低く前へ押すことができなかった。

「骨盤を前へ出して組むことを教えてくれた。少しずつできるようになってきた。1対1ができたら3対3、5対5。そして8対8で組めるようにならないといけない。そして選ばれたかぎりは試合に出場したい」と自信をつけてきた。

 遅咲きの32歳の山路は、昨年秋、日本代表に選出された。しかし経験を積むことが必要と基本を口酸っぱく語りかけられていた。

 長谷川コーチは「日本代表、サンウルブズのスクラムを選手に覚えてもらい、所属チームへ持ち帰り広めて欲しい」と話す。

 今季の勝利とともに、日本ラグビーの未来を見据えて指導を続ける。

(文:見明亨徳)

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最後はHO庭井祐輔が入り3人で組んだ。写真左は山路、右は浅堀(撮影:見明亨徳)
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