昨季王者相手にスクラムで優勢。サンウルブズ開幕戦スクラム・ドキュメント。 (2/3ページ)

ラグビーリパブリック

しかし今季からヤマハ発動機で強力スクラムを築いた専門家、元日本代表の長谷川慎コーチが指導。昨季の苦労を知るPR浅原拓真も、「今年はスクラムがすごく整備された」と充実を口にする。

 5-64と昨季王者ハリケーンズがリードして迎えた後半9分、そのPR浅原がピッチに投入。「バズ」の愛称を持つ29歳は、替わったPR伊藤から手応えを伝え聞いた。

「前半の伊藤平一(郎)が『イケる』と言っていたので、感触が良いのかなと思って組んでみたら、やっぱりいい感じに組めました」

 19分、HO日野剛志と共に投入された左PR山本幸輝も、交替したPR三上正貴から助言を受けた。

「三上さんからアドバイスをもらっていて、『相手が内に来ようとしている』と言われたので、そこを意識してやりました」

 

 後半最初のスクラム(7本目)は、5-83の大量ビハインドで迎えた25分。CTBデレック・カーペンターの猛タックルを受け、途中出場のSOボーデン・バレットがノックオン。生まれた自陣22メートル手前のマイボールスクラムで、サンウルブズFWは“歩いた”。

 16本の脚を持つ塊が、ずんずんずんと前進していく。

 左PRの山本は、手応えをつかんだ。

「スクラムを組んで『今日はイケる、イケない』ということを感じる部分はあります。僕は(交替後に)1本目で押せたので、いい入りができました」。

 そして迎えた、試合終了5分前だった。

 FL金正奎の1トライで5点を返した35分、相手ゴール前右で得たペナルティ。サンウルブズは、スクラムを選択した。スタンドからの大歓声に、FW8人が体を震わせる。83失点という屈辱のなかで、いつしか狼軍団はスクラムという武器を握っていた。

 直前のプレーで、LOマイケル・ファティアロファがシンビン。14人となったハリケーンズは6人でスクラム戦へ挑んだ。そしてサンウルブズFWは8人 vs.6人の闘いを確実に制し、ペナルティを獲得。

 再度サンウルブズがスクラムを選択すると、ハリケーンズは急きょ、WTBジュリアン・サヴェアを左FLの位置に入れて7人態勢へ。

 迎えたこの日9度目のスクラムは、押せなかった。

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