中国の強引な海洋進出の裏にいる人民解放軍

まいじつ

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中国が東シナ海などの日本の排他的経済水域(EEZ)内の海底で、2012~2016年の5年間で、計63件もの無許可調査を行っていたことが海上保安庁の調査で明らかになった。

EEZは、国の沿岸から12海里(約22km)以内の領海の外側で、沿岸から200海里(約370km)までの海域を指し、外国船の航行は自由だが、今回のように調査などは禁止されている。

国連海洋法条約では、漁業や科学的な調査について、沿岸国(今回の場合日本)が優先的に行えるのが決まりだ。しかし、中国は国連大陸棚限界委員会に、日本のEEZ内にまで自国の大陸棚の延伸を申請しており、主張が通ってもいないのに海洋権益の拡大を急ぐあまり、調査を活発化させている。そのため、今回の行為は完全にフライングといえる。

さらに驚くべきことは、中国は2014年に続き、昨年5月に『第2回琉球・沖縄最先端問題国際学術会議』を開催していることだ。

名ばかりの国際会議の裏には…

「この会議は中国の北京で開かれたもので、主催者は中国戦略・管理研究会、北京大学歴史学部などです。日本の沖縄をテーマとした“国際会議”が、那覇でもなければ東京でもなく、北京で開催されているのが中国らしいと言えるでしょう。さらに不可解なのはその中身で、琉球新報(沖縄の県紙)の記事によると『沖縄の自己決定権や米軍基地問題、独立などをめぐって意見を交わした』と言うのです」(軍事ジャーナリスト)

会議の筆頭主催者である『中国戦略・管理研究会』は、本部を中国政府が国賓を迎えるためにある『釣魚台国賓館』に住所を置いている。このことからすると、日本でいう研究機関ではなく、会の背後にいるのは中国人民解放軍だ。

「研究会の理事会の構成は、国防相を務めたこともある人民解放軍の元上将など大物軍人の名前が並んでいます。そこからも、研究機関の背後に軍が存在していることが分かります。中国政府と中国軍の戦略的意図に基づく高度な“沖縄工作”の一環であることは明白ですね」(同・ジャーナリスト)

北朝鮮の挑発はある意味で分かりやすいが、中国のこうした工作活動にはより一層の注意を払うべきだ。言うなれば「おれの物はおれの物、お前の物は俺の物」という言葉を残したドラえもんのジャイアンだ。

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