「DAZN」によってファンが阿鼻叫喚に陥ったJリーグ開幕

まいじつ

siiixth / PIXTA(ピクスタ)
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2月25日にサッカーのJリーグが開幕した。ファンやサポーターはこの日を待ち望んでいたのだが、試合中継を楽しみにしていた人々は悲鳴をあげることになった。その原因は、今季からJリーグの試合中継を独占解約した動画配信サービス『DAZN(ダ・ゾーン)』の不備が原因だ。

DAZNはイギリスのパフォームグループが提供するスポーツ専門の動画配信サービスで、Jリーグ以外の海外サッカーやテニスなど多くのスポーツを見ることができる。パソコンまたは、専用アプリがインストールされたスマートフォンやタブレットで視聴可能だ。テレビでも視聴可能だが、その場合には『Amazon FireTV』などの、DAZN対応が済んでいるインターネット動画配信サービス用のセットトップボックスが必要になる。

そのDAZNの放送トラブルが、Jリーグの開幕試合のあった25~26日に相次いだ。

「アウェーの試合が遠方のスタジアムで開催されるなどの理由で、現地へ観戦に行けないサポーターは、この日に備えてDAZNと契約をして開幕を楽しみにしていました。しかし、試合中継が始まると、動画再生が止まったり、画質が急に粗くなったりするなどして、SNS上にはDAZNに対する不満や文句が多く投稿されました」(スポーツライター)

試合が止まったり、画質が粗くても見られたのであればまだいいほうで、26日の17時から試合が行われたガンバ大阪対ヴァンフォーレ甲府の試合は試合中継が始まらず、V・プレミアリーグ男子の、東レ対ジェイテクトのチャンネルで試合途中から放送されるという事態になった。また、同時間帯に放送予定だった愛媛FC対ツエーゲン金沢も、試合がライブ配信できないというトラブルが起きている。

財政難だったJリーグの救世主となったDAZNだったが…

DAZNは、Jリーグと2017年から10年間で2100億円という大型の放送契約を結び、財政不安が囁かれていたJリーグの救世主になると、発表当初は大歓迎された。しかし、サッカーファン以外の一部からは、DAZNに対する不安が当初から話題になっていた

「DAZNはJリーグと放送権契約を結ぶ前から、アメフトなどのマイナーなスポーツの中継をしていました。しかし、放送予定にラインナップされていたはずの試合がいつの間にか放送されなくなることもしばしばあったのです。ファンの人数が少ない競技で起きていたので、大きな話題にはなっていなかったのですが、『あまり信用できない会社だ』と噂になっていました」(同・ライター)

前述の2試合は、試合終了後にJリーグの公式YouTubeチャンネルで配信された。動画配信の会社としては出来が悪いと言わざるを得ない。

また、今回の放送の不備以外の部分でも、不満の声が出ている。

「フレームレートが低いのです。フレームレートとは、単位時間あたりに処理させるコマ数のことをいいます。このフレームレートが25fps(1秒あたり25コマ)と、地上デジタル放送の約30fpsよりも少ない。そのため、パラパラマンガやセル画数の少ないアニメのように、動きがかくかくして見えるのです。テニスのサーブなどはボールがぶれているように見えてしまいます」(同・ライター)

とはいえ、DAZNはJリーグと独占契約を結んでいるため、スタジアムへは行けないが試合は見たいという人たちは、DAZNを見るしかないという状況だ。Jリーグ自体も、DAZNのもたらす高額の放送権料がなければ、財政難を脱することはできなかった。各チームも、放送権料が分配されることで恩恵を受けている。

だが、現状ではだれも得をしていない。

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