【プロ野球】バレンティンはWBCからの60本塁打で「王さん超え」。WBCで日本と対戦した助っ人外国人選手たち (2/2ページ)
■フレデリク・セペダ(キューバ)
第1回からキューバ代表の主軸を打ち、今回も代表入りしているのが2014年、2015年と2年間、巨人でプレーしていたフレデリク・セペダだ。
日本と対戦した2006WBCの決勝では「5番・レフト」で出場。5点を追いかける6回には2番手・渡辺俊介からタイムリー二塁打を放ち、反撃ののろしを上げる。この試合、それまで大振りしていたキューバ打線だったが、この回からはミート中心の打撃に切り替えるなど、対応力の高さを見せた。
さらにセペダは8回、3番手・藤田宗一(ロッテ)から右打席でレフトスタンドへ2ラン本塁打を運ぶ。最後は6対10で敗れ、準優勝となったキューバだが、セペダは本塁打を含む2安打、3打点と意地を見せた。
第2回大会の2009WBC、2次ラウンド・1組の初戦で再び日本と対戦。セペダは4打数3安打と活躍するもキューバは0対6で敗れた。続く、同ラウンド2度目の対戦となった一戦では4打数ノーヒットと抑え込まれ、チームも0対5とまたしてもシャットアウト負けを喫した。この大会でキューバは第2ラウンド敗退となったが、セペダは首位打者に輝き、ベストナインにも選ばれた。
さらに2013WBCでも第1ラウンドで日本と戦い、セペダは4回に2番手・田中将大(楽天)から右中間へタイムリー二塁打を放っている。
セペタは翌2014年に巨人へ入団するが、WBCのときのような際立った活躍を見せることなくチームを去った。
■バレンティン(オランダ)
ヤクルトに入団した2011年から3年連続でセ・リーグ本塁打王を獲ったウラディミール・バレンティン。
オランダ領キュラソー島出身ということもあって、2013WBCではオランダ代表の一員として出場。日本とは第2ラウンドで対戦し、同郷の大先輩であるアンドリュー・ジョーンズ(楽天)を差し置いて4番に座った。
この対戦では、オランダは7回コールドの4対16で大敗したが、バレンティンは6回に2死満塁からセンターの頭上を越える走者一掃のタイムリー二塁打を放った。この直後には続くジョーンズもタイムリーと一挙4点を奪っている。
しかし、翌日のキューバ戦で負傷退場。第2ラウンド最終戦となった順位決定戦で日本と再戦したときには、出場機会はなかった。
第2ラウンド・1組を2位で通過したオランダは準決勝でドミニカ共和国と対戦。4番打者で復帰したバレンティンは初回にチーム唯一の打点を挙げる。試合は1対4で敗れるが、オランダはベスト4入りを果たした。
そしてこの年、バレンティンはシーズンで60本塁打を放ち、王貞治氏の持つNPB記録の55本塁打を塗り替えた。今回のWBCにも代表に選ばれ、主軸としての活躍が期待されている。
文=武山智史(たけやま・さとし)