更年期の月経異常はなぜ起こる?メカニズムを解説
更年期にはさまざまな不調があらわれることが知られていますが、
月経異常もそのひとつです。
仕方のないことと我慢している方も多いようですが、生活習慣の見直しや薬などで改善がみられる場合もあるため、まずはどのようなメカニズムで月経異常が起きているのか、更年期との関係を医師に解説していただきました。
月経異常ってどんな状態?正常な月経は性成熟期に入る18歳までに発来し、以後非生殖器に入るまで約28日周期で起こります。月経異常には様々な種類がありますが以下のような症状が一般的です。
・18歳になっても月経が起こらない
・月経頻度の異常(頻繁に起こりすぎる頻発月経、もしくは起こらな過ぎる稀発月経、もしくは月経がない無月経)
・月経出血量の異常(多すぎる過多月経、少なすぎる過少月経)
・痛みの程度が強すぎる異常
・一見正常に見えるけれども実は排卵が起こっていない無排卵月経
月経は子宮と卵巣だけが関係しているわけではない!月経異常がみられる場合、子宮や卵巣に問題があるのでは?と考える方が多いようですが、月経に関係している体の部位は下記の通り他にもあります。
・脳の視床下部および下垂体
・子宮
・卵巣
・経血の出口である膣や外陰部
これらのどこに異常があっても月経異常となります。
視床下部は下垂体に対しホルモンを発し、それに応じて下垂体は卵巣に対してホルモンを発します。それに応じて卵巣は女性ホルモンである
エストロゲンと
プロゲステロンを放出し、卵巣での卵子の成熟と子宮内膜の成長が起こります。排卵期に卵子が卵巣から放出され、受精卵が着床しなければ子宮内膜は崩壊して性器出血が起こります。
更年期と閉経の関係いわゆる女性の更年期とは、生殖器から非生殖器に移行する期間であり、
閉経(1年間月経がない状態)に至るまでの期間を指します。40歳未満で自然閉経を迎えた場合を
早発閉経、もしくは
若年性更年期と呼びます。
閉経に至る原因は、卵巣の老化・卵子の枯渇により、視床下部・下垂体の指令に卵巣が応じきれなくなることです。
つまり更年期や閉経状態では、視床下部と下垂体は必死に卵巣を働かせようとホルモンを出しているのですが、卵巣はそれに応じることができず、卵巣からの女性ホルモンはほとんど出なくなっています。
子宮は待ちぼうけ状態ですので、もし女性ホルモンを適切に補充しさえすれば月経を起こすことはできますし、閉経後の女性であってもホルモン補充をすることで代理母として妊娠出産することもできます。
ただ、完全に閉経を迎えるまでは、まれに残った卵子が排卵することがあるため、絶対に妊娠しないというわけではありません。もう40代後半だし、月経周期が長くなってきて更年期なのだろうと思っていたら、たまたま排卵していて妊娠してしまったという方もいます。
更年期による月経異常の治療方法は?特に妊娠を希望しておられない方が自然に更年期を迎えられた場合、月経不順に対して特に何も治療をする必要はありません。
ただし、女性ホルモン低下に伴う更年期障害症状がある場合、それに対症療法的に対処したり、女性ホルモンを適度に補充する治療を行いますが、2年程度で治療を終了していきます。
女性ホルモンは骨代謝やコレステロール代謝に関わっており、閉経後は
骨粗しょう症や
高コレステロール血症になりやすくなりますので、これらに対する治療を行うこともあります。
逆に、妊娠を希望しているのに早期に更年期状態になり、不妊となってしまった方もいます。その場合、
カウフマン療法と呼ばれる女性ホルモン補充を行いつつ、排卵のチャンスを待ちます。より高度な不妊治療を行うこともあります。
医師からのアドバイス更年期による月経異常に対する治療は、更年期が何歳で起こっているか、妊娠希望があるかどうかによって異なります。
妊娠を希望しているのに月経異常がある場合、早発閉経・若年性更年期も疑い、ホルモン検査や子宮・卵巣の状態を確認することが必要です。
(監修:Doctors Me 医師)