中韓関係の悪化で”三流国家”呼ばわり?日本は彼らにどう対処すべきか

デイリーニュースオンライン

Photo by Diez Photography(写真はイメージです)
Photo by Diez Photography(写真はイメージです)

「彼らが考えること、やることは三流国家のそれに過ぎない。(略)このような国がすぐ隣にあるのも、韓国の宿命」(朝鮮日報)

 はいはい、いつもの日本批判ですね……と思いきや、なんと中国に向けられた言葉なのだ。いま中韓関係は<最悪>と言っていい状態に陥っている。

 さらに韓国メディアはこう書きたてる。

<“限韓令”(韓流スター放送出演禁止)や韓国製品大量輸入不許可、(略)輸入規制措置や非関税障壁を(中国側が)打ち出している>

<中国国家観光局は北京の旅行社に対し、団体、個人を問わず、韓国への旅行商品の販売を止めるよう通達した。地方でも同様の指示が出ている(注1)>

<3月15日の世界消費者デーに合わせ、中国恒例の“企業叩き番組”(注2)で韓国企業が狙い打ちにされる危険性が高い。特にスマホ発火問題で、訴訟を多数起こされているサムスン電子は危ない> 

 などなど。トピックによって真偽の程は違うが、韓国が中国からの攻撃に戦々恐々となっていることは分かる。

 朴槿恵韓国大統領(65)が嬉々として北京の抗日戦勝記念軍事パレードに参席したり、米国の制止を振り切ってAIIB(中国主導のアジア・インフラ銀行)に加わったのが、ここ2年間の出来事。蜜月を謳歌していた中韓関係がわずかな時間で冷え切った原因は、韓国が米軍のTHAADミサイル(終末高高度防衛ミサイル)配備を決めたからだ。

「反日のあまりか“歴史戦で共闘する”と中国に擦り寄った朴槿恵大統領に、アメリカが(米中)どちらに付く? と強硬に迫ってTHAAD配備を決めさせた。本来は北朝鮮のミサイル対策だが、自分たちも牽制されるので中国は強く反発している」(韓国通ジャーナリスト)

 THAAD配備用の土地を提供したのがロッテだったということで、中国大手通販サイトのロッテコーナーが閉鎖され、不買運動も起きそうだという。

■ケンカに介入したくは無いが…

 中国の舐めきった報復措置に、韓国が怒るのも無理はない。しかし、そもそも<北朝鮮・中国>の共産陣営と、<韓国・日本・米国>の自由主義陣営がにらみ合うのが朝鮮半島から東アジア全体の構図。中韓の接近が異常事態であって、これで以前の形に戻るのだろうか?

 ところが、更なる不安定化の要素も多い。特に韓国の業病<反日>と、北朝鮮と中国の関係悪化だ。朴槿恵大統領が事実上、機能していない韓国の次期大統領候補は、揃いも揃って親北朝鮮・反日・反米。(慰安婦問題の)日韓合意撤廃、THAAD配備中止、在韓米軍撤退まで舵を切る危険性もある。

「そこで韓国の反日・反米勢力に頼られる北朝鮮にしても、金正男暗殺やミサイル発射など中国の意向とは違う暴発が目立つ。中国ですら、北朝鮮を制御できなくなっている危険な状態です」(前出・韓国通ジャーナリスト)

 古代中国の春秋戦国時代。国々が結んだり、離れたりして覇を伺う様子を<合従連衡(がっしょうれんこう)>と呼んだが、いま東アジアはそんな時代に突入したといえる。日韓だけの問題なら距離を置いて放っておけばいいと思うが、状勢は複雑化の一方で日本の対応も難しい。真剣な議論と現実的な対応が急務なのだ。

 私立幼稚園の教育方針だの、豊洲と築地のどっちが汚れてるだの……大メディアは、そんなことをトップニュースで取り上げている場合じゃない!

(注1) 訪韓中国人観光客… 800万人を数え、外国人旅行者の半数を占める。これが中国の禁令で半減すると見られている。
(注2) 中国の企業叩き番組… 過去には日産やニコンも餌食にされた。

著者プロフィール

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コンテンツプロデューサー

田中ねぃ

東京都出身。早大卒後、新潮社入社。『週刊新潮』『FOCUS』を経て、現在『コミック&プロデュース事業部』部長。本業以外にプロレス、アニメ、アイドル、特撮、TV、映画などサブカルチャーに造詣が深い。Daily News Onlineではニュースとカルチャーを絡めたコラムを連載中。愛称は田中‟ダスティ”ねぃ

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