【プロ野球】世界と戦う、もう一匹の侍戦士? あの『猫ピッチャー』が小説になった! (2/2ページ)

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■「野球の楽しさ」が学べる書

 で、今回新たに上梓されたのがこの『猫ピッチャー』のノベライズ版。完全オリジナルストーリーで、ミー太郎人気を聞きつけたニューヨーク・ニャンキースから日米親善試合の申し入れがあり、ニャイアンツとミー太郎がアメリカ遠征をする、というあらすじになっている。

 ミー太郎、ニューヨークへ。だが、ニャンキースタジアムでも、《一塁ベースの上でひなたぼっこしたり、折れたバットで爪を研いだり、ヘルメットの中に丸まって寝たり……》と、舞台をどこに移しても、ミー太郎の“らしさ”は変わっていない。従来からの『猫ピッチャー』ファンも楽しめるはずだ。

 その上で、ミー太郎がニューヨークで行方不明になったり、謎の猫バッターが登場したりと、新たな事件や登場人物も多い。加えて、本作ではミー太郎の飼い主・山田ユキちゃん(16歳)にこれまで以上にスポットが当たっている点が新しい。

 また、野球ができることの喜び、楽しさについての言及も多い。ユキちゃんがアメリカ野球のエンターテイメント性に感動するシーンでは、こんなやり取りが描かれている。

 《そもそもスポーツっていうのは、体を動かして楽しむ遊びなんだ。(中略)上手いか下手か、強いか弱いかなんていうのは二の次。だからアメリカ人は、みんなと同じようにできなきゃ恥ずかしいなんて思わないし、他人よりツラい練習をしなくちゃダメなんて思わない》

 《ぼくたちはみんな小さいころから、そうやってスポーツを楽しいものだと思っているから、試合を見に行くことも楽しむし、すばらしいプレーをしようとチャレンジする選手たちを尊敬するんだよ》

 WBCを見て野球に興味を覚えたり、新学期から野球を始めてみたいと思ったお子さんがいるご家庭にこそ、「野球の楽しさ」が学べる書として最適なのではないだろうか。

文=オグマナオト

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