バブルの栄光をもう一度! 時代の流れに負けた名車 オートザムAZ-1 (3/3ページ)
■究極のハンドリングマシンは実際どんな車なのか
車体中央に最も重たいエンジンを載せることで前後の重量バランスを44:56とし、ロックトゥロック2.2というステアリングのクイックさも相まって、車線変更や交差点でのコーナリングではレーシングカーの如く飛ぶように方向を変えます。ただ、フロントの接地圧不足からか、100キロを超えるような高速域ではやや直進性に問題があり、低速でも落ち葉の吹き溜まりに入るとたちまちフラついてしまうほど。直進安定性を犠牲にコーナリング性能を重視しているのは言うまでもありませんが、しっかりと整備をすれば世間で言われているほど直進安定性は低くなく、むしろ直進性と回頭性が高いレベルでバランスが取れています。
またABCトリオの中でも最も車高も低く、その視線の低さから町中を40キロで走っていても、後方から響く大きなエンジン音と相まって、とても速く感じます。パワーの低さ故に速度が出ない分、どこでも安全にスピード感が得られると言っても過言ではないでしょう。ブローオフバルブを取り付けておけば、アクセルを緩めた時の甲高い排気音が癖になること間違いなしです。
■まとめいかがでしたでしょうか。軽スポーツカーを語る上で外せない一台であるAZ-1。軽自動車故に維持費が安く、燃費も18キロと悪くない性能。電子制御によるアシストや快適性は一切ありませんが、走る楽しみのために全てを割り切った純スポーツカーとして、今後も自動車史に名を残す一台です。
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