WBC情報 キューバのプライドを切り裂いた侍ジャパン (1/2ページ)
3月14日、侍ジャパンが一次ラウンドに続き、二次ラウンドでもキューバに勝利した。スコア上では「8対5の快勝」だが、一昨日のオランダ戦に続き、『試練の連続』であった。
「オランダ戦は僅差を逃げ切る試練、キューバ戦は『追いついても追い越せない』の状態が続き、ビハインドゲームの重圧との戦いでした」(球界関係者)
8回裏、山田哲人(24)のダメ押し2ランが飛び出したとき、間違いなく、キューバの全選手の表情が変わった。たしかに、試合を決定づける一打ではあった。しかし、侍ジャパンが打ち砕いたのは、キューバのメンツだった。
大会前だが、キューバ代表のカルロス・マルティ監督は記者団にこう語っていた。
「(今大会は)我々のプライドと野球王国の誇りを取り戻すために…」
キューバは野球大国と位置づけられてきた。もっとも盛んなスポーツが野球であることは今も変わらないが、国内リーグには菅野や石川のように常時140キロ台後半の直球を投げる投手は、ほとんどいなくなった。また、今回の代表チームに招集されたメンバーも30代がほとんどだ。
『U-18』など、キューバにも年齢別のカテゴリーがあって、その10代代表チームで鍛えられた若手の多くは亡命してしまった。このカテゴリーから昇格してきた野手はギレルモ・アビレスだけだ。
「山田の2ランが出たとき、ベンチでも下を向く選手がいました。前任のビクトル・メサ監督だったなら、物凄い剣幕で怒鳴っていたはずです。マルティ監督は良くも悪くもポーカーフェイスなので、何も発しなかった」(前出・関係者)
静まり返ったキューバベンチに、“野球王国の終焉”を感じたNPB関係者も少なくなかった。
「2番手のイエラを引っ張りすぎたのが敗因かもしれない。今大会には往年の強いキューバを象徴するような豪腕投手はいませんでした。僅差でリリーフ投入できる投手がいなかったのでしょう」(取材陣の一人)
イエラが投入されたのは5回途中だった。今大会ではこのイエラをクローザーで使うような形になりかけていたのに、だ。