「Q:上野さんのTwitterを見て、私もアルバイトをしたくなりました。紹介してくれませんか?(21歳女性・大学生)」(ラブホの上野さん) (3/4ページ)

恋学

逆に言えば、望まぬ職場で働くことを強いられた人間は、不運だったか、能力が不足していたか、努力が不足していたかは分かりませんが、自己責任でその職場にいるのでしょう。そのことを否定するつもりもまた御座いません。

ですが、それでもなお彼らには「自分は今の仕事を望んでいない」という感覚が必ず御座います。
そして自分が望む光の当たる仕事への憧れと、その職場で働く人間への嫉妬が必ず存在する。それはある意味で逆恨みでしかないかもしれません。ですが、理屈的に恨むことが間違っていたとしても、人は恨むのです。

特に隠している訳でもないので言ってしまいますが、私は慶應義塾大学を卒業しています。比較的、職業選択という意味では恵まれた立場にあったでしょう。
そんな私がそれでもなおラブホテル産業を最終的に選んだのは、それなりの覚悟がありました。
少なくとも決して光が当たることなく、決して人から褒められることもなく、職業を口にすれば万人から否定されることを覚悟してこの産業を選んだのです。

ご存知の方も多いかと思いますが、慶應義塾はその方針として「職業に貴賎なし」という言葉を掲げています。
しかし私はこの言葉が正しいか間違っているかなどということに興味がないものの、この言葉に対して思うことが御座います。

望まぬ職業を強いられた人間に対して「職業に貴賎(きせん)なし」とは、私は口が裂けても言えない。

憧れる職業に就いている人間から「職業に貴賎(きせん)なしだよ」なんて言われた日には、それこそ殺意にも似た感情すら抱きかねない。

批判を覚悟した上で具体名を挙げましょう。

ゴミの清掃員、タクシーの運転手、風俗産業、チェーン店系の現場スタッフ、下請けのシステムエンジニア、ほとんどすべての派遣社員、契約社員、住宅賃貸の不動産仲介業、銀行を除く金貸し、介護職、明らかな斜陽産業など。

これらの職業は、この社会の多くの方が今働いている産業でしょう。非正規労働者だけで全体の4割にも上るのですから、過半数の方が私が今言った産業に従事していると言っても過言ではありません。そしてその産業に「望んで入った人間」など、本当に一部しか存在しない。

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