今期でダントツの評価も?草なぎ剛「嘘の戦争」最終回は有終11.6%

デイリーニュースオンライン

フジテレビ「嘘の戦争」公式サイトより
フジテレビ「嘘の戦争」公式サイトより

 草なぎ剛(42)が主演を務める「嘘の戦争」最終回が14日に放送され、平均視聴率は前回より1.1ポイントアップの11.6%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)となりました。全10回を通して2桁をキープしての完走です。第10話では、二科家の反撃と仲間の裏切りによってピンチに陥った浩一(草なぎ剛)が、三瓶(大杉漣)の助けを得て一転して反撃に出る姿が描かれました。

 これまで、視聴者をもだまし続けてくれたこのドラマ。最終回でも大きな2つの嘘が視聴者に投げかけられました。1つめは、二科興三(市村正親)への復讐として、娘の楓(山本美月)を閉じ込めた小屋を爆破したこと。これについては、ほとんどの人が見破っていたはず。劇中でもあっさりと浩一自身によってトリックが明かされました。

 嘘を見破ったことですっかり優越感に浸っていた視聴者を見事にだましてくれたのはその直後。突然飛び出してきた晃(安田顕)にナイフで刺され、崖の下に落ちていく浩一。浩一が何とか生き延びていることまでは予想しても、「あの晃がやってしまった……」と悲しい気持ちになった人も多かったようです。

 このトリックを見破っていたのは、切れ者の隆(藤木直人)。浩一は、自らが死んだことにして警察の手を逃れるため、腹に雑誌と血のりを仕込んだ上で晃に自分を刺すように依頼していたのでした。なぜそんな依頼に乗ったのかと問われた晃はこう答えるのでした。「だってオレ、30年前の罪、償ってないから。うそで消された罪はもう償えない。だから今度は、嘘の罪で罰を。それに、安全になったら連絡してくれるって。あいつから警察に。生きてるって」。

 楓はそれを聞き、浩一からもらった願いのかなう指輪を取り出しながら「約束、守ってくれる気がする」。「だよな、オレもそう思う」と晃。隆はその会話を見て、最後にふっとほほ笑むのでした。楓が指輪に込めていたのは、家族がまた仲良くなれること。残念ながら父親のクズっぷりは直らなかったものの、三人三様に浩一にだまされてまあまあひどい目に遭ったきょうだいが浩一のおかげで仲直りし、彼を信じるようになったという予想をはるかに超えたハッピーエンドを迎えました。

 肝心の復讐劇については、「二科家以外の人間にはえげつない復讐をしたのに、興三は一時的に絶望を味わっただけで地位も金も奪われていないし逮捕もされていないのはあまりにもおかしい」との声も散見されます。恐らく第8話までの浩一なら、徹底的に興三をつぶしたはず。ところが、第9話で描かれた三瓶とのやり取りの中で心の中につかえていたものが取れ、自分が望んでいる復讐とは何なのかに気付いたと見るのが正しいように思われます。一時的とはいえ、自分が味わった、そしてほかにもたくさんの人に味わわせてきたであろう心の痛みを興三にも感じて欲しい。それだけで気が済むほどまでに浩一の心の中はすでに浄化されていたということなのでしょう。ドラマとしても、最後にえげつない復讐をしてしまうとハッピーエンドにはなりにくいので、うまい展開であったと言えます。

 最後に浩一は、「嘘のない奴なんていない。一ノ瀬浩一は死んだ。復讐にとらわれた男は消えて、別の人間になれるかも」と隆に言い残して日本を去ります。浩一の言う通り、最終回は誰もが誰かに嘘をつき、それでいてすべてが丸く収まるという驚異の大団円でした。Twitterにも、「最終回めちゃくちゃ泣けた。キャスト脚本全てが最高に面白かった」「嘘の戦争、今期ダントツで面白かった」「今までみてきたドラマの中で一番良かった」「最終回がこんなにスッキリ終わったドラマは久しぶり」など賛辞があふれました。結局六車ってなんだったんだろうとかツッコミどころはありますが、最初から最後までかなりよく練られたドラマであったことは間違いありません。キャストもそれぞれいい持ち味で最後まで楽しませてくれました。4月から同じ枠で放送される「CRISIS〜公安機動捜査隊特捜班〜」にも期待が高まります。

文・中島千代

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