資金ショート寸前のタコス屋を甦らせた制作費ゼロ広告 (1/2ページ)
「金がない・人がいない・時間がない」と頭を抱えるビジネスパーソンが増えている。そんな今こそ、弱者の戦略である「奇襲」が必要かもしれない。
そして、自社商品やサービスの良さをアピールする正攻法だけで、顧客の関心をつかむことは難しい現代だからこそ注目したいのが、「たった一言」を言い換えるという奇襲だ。
SNSなど、情報発信のツールはどんどん多様になっているが、肝心なのはやはり「言葉」だ。顧客の心をつかむには、どのような言葉で、どう情報発信をしていけばいいのだろうか。
■金を掛けずに「言葉の力」でピンチを乗り切ったタコス屋そのヒントとなるのが、『値決めの心理作戦 儲かる一言 損する一言』(日本経済新聞出版社刊)だ。
本書では、強盗に入られて資金ショート寸前のピンチを制作費ゼロの広告で乗り切ったタコス屋の事例が紹介されている。
ラスベガスで念願のタコス屋をオープンした店主だったが、開店費用で準備資金を使い果たし、広告を打つこともままならない状況に。そんななか、深夜の店に強盗が押し入るというさらなる不幸が襲う。
ただでさえ金がないところに、現金の入ったレジを盗まれてしまったタコス屋。並みの経営者なら「万事休す」とギブアップしてしまうところだ。
しかしこの店主、ピンチを逆手にとって起死回生の逆転を成功させる。彼はどんな手を使ったのか? その答えは「防犯ビデオに映った強盗たちの映像を広告ビデオに作り替える」というものだった。
「Guy wants a taco(ヤツらはタコスを食べたがっている)」というテロップが流れ、軽やかなラテン系のBGMに乗って展開されるユーモラスな広告ビデオ。このビデオはテレビでも話題となり、お店は奇跡の復活をとげた。
日本では、商品を仕入れすぎたお店が「助けてください」とお客さんに訴える広告をよく見かけるが、「ヤツらはタコスを食べたがっている」のインパクトはそれをたやすく上回る。「言葉の力」が倒産直前の経営危機を救ったわけだ。