稀勢の里に貴乃花親方が仕掛ける新旧横綱「マル秘タッグ」計画 (1/2ページ)
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週刊アサヒ芸能 2017年 3/23号
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相撲
稀勢の里(30)と貴乃花親方(44)──。12日に開幕した大相撲春場所の土俵下では、二所一門が輩出した新旧横綱が急速に接近している。絆を深めるその背景には、2人の境遇と「野望」があった。
「稀勢の里は30歳で横綱に昇進しましたが、非常に若々しい相撲を取る。私は彼の時代が5年間は続くと見ています。正代、御嶽海、小柳など世代交代を迫る力士も次々に生まれていますが、その牙城はそう簡単に崩れないでしょう」
元NHKアナで相撲ジャーナリストの杉山邦博氏が絶賛する新横綱について、
「思えば審判部長時代、3場所で33勝に届いていないと周囲が押しとどめるのも聞かずに(関脇から)大関に推挙した時から、貴乃花親方の稀勢の里にかける思いは非常に大きかった」
と語るのは、稀勢の里と貴乃花親方の両者を知る相撲関係者である。さらに、
「それに応えてみごと大輪の花を咲かせた稀勢の里に、貴乃花親方が期待する気持ちはますます強くなっている」
今年の初場所で優勝し、横綱昇進を決めた稀勢の里は、2月の大相撲トーナメント大会でも、苦しみながらも平幕貴ノ岩を突き落として初優勝した。その時、貴乃花親方は稀勢の里に、「よかったな」と声をかけている。相撲ジャーナリスト・中澤潔氏が解説する。
「愛弟子の貴ノ岩を破った自分にかけてくれた言葉に、稀勢の里は感激もひとしおでした。現役時代、貴乃花親方はハワイ出身の横綱(曙、武蔵丸)と死闘を繰り広げた。そして今、稀勢の里はモンゴル人横綱3人(白鵬、日馬富士、鶴竜)と必死に闘っている。彼らとの死闘を乗り越えてつかんだ栄冠だからこそ、かつての自分と重ね合わせ、稀勢の里に共感を覚えているんでしょう。ファンの目は稀勢の里と3人のモンゴル人横綱との戦いに注がれている。全員をなぎ倒して優勝すれば、大相撲人気は絶大なものとなります」
2人の接近を後押しするのは、それぞれの境遇の共通点。そして貴乃花親方が積極的に稀勢の里の取り込みを仕掛け、ひそかにタッグを組もうとする理由は、角界を牛耳ることにあった。元力士が言う。
「実はこのところ、貴乃花一門は急激に勢力を拡大しているんですよ。