速さとパワー復活! ホンダがF1世界王者を狙える3つの理由(2) (2/2ページ)

週刊実話

ホンダの復帰1年目の'15年は、全19戦でポイント圏内(10位以内)でのフィニッシュがチーム2台で計6回という惨憺たるものだったが、長谷川氏が就任した'16年は、弱点だったパワー・ユニットの効率を一歩一歩改善し、年間6位にジャンプアップした。
 「王者メルセデス・ベンツが強いのは、エンジンの熱効率をディーゼル車並みの40%以上に上げているからです。欧州では伝統的にディーゼル車の需要が高く、市販車開発のノウハウが活かされている。レースで使用できる燃料の総量が100㎏に制限されていた昨季までは、だから圧倒的に戦闘力が高かった。しかし、今季から燃料の総量が105㎏に引き上げられたことで、馬力で勝るホンダのパワー・ユニットにとって強力な追い風になっている」(自動車誌編集者)

 もっと言えば、新レギュレーション1年目は、規則を巡って混乱するのがF1界のお約束。敗れたチームが、勝ったチームのサスペンションや空力パーツにクレームをつけることが予想され、過去にはFIA(国際自動車連盟)がそれを受け入れ、制裁を下すことが何度もあった。今シーズンもそれは織り込み済み。
 '09年シーズンは、泡沫候補のブラウンGPがシーズン前半を支配し、世界中を驚かせて盛り上げた。今季は判官びいきでホンダを応援するシナリオができているという話も囁かれている。

 マクラーレンは'15年にメルセデスがワークス参戦(シャシーもエンジンも自社製)にスイッチしたことで、ホンダをF1復帰させてチームを組んだ。しかし、まだ一度も表彰台にすら上がっていない。最後の勝利は2012年のブラジルGPでのジェンソン・バトン。現在のエースドライバー・アロンソは今季が3年契約の最終年で「今季も勝てなければチームを去る」と話している。
 陣営は背水の陣。ホンダが下馬評を覆す環境は十分に整っている。
(F1ライター・朝吹颯)

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