老化防止薬は既に開発されている!? 1週間で若返りが見られた研究とは
時間に逆らうことは出来ませんが、年をとり、衰えを感じることはできれば避けたいものですよね。
実は、薬で老化防止が期待できるという研究結果が海外で発表されましたが、一体どのような研究が行われたのでしょうか?
今回は老化防止薬研究の最前線や、薬に頼らず効果的に効果を防ぐ方法などを医師に解説していただきました。
老化防止薬に関する研究
オランダのエラスムス大学メディカルセンターで行われた研究では、老化したマウスにFOXO4というタンパク質を投与することで、活力や毛並、臓器機能を回復させ若返らせることに成功したと報告されました。
人間でいうと90歳相当のマウスに薬を投与したところ、走れる距離が2倍になり、正常組織への影響はないため副作用もありませんでした。
老化した細胞は炎症を引き起こし、老化をさらに促進する物質を放出するため、老化した細胞を排除することで若返りが生じたと考えられます。
■ FOXO4とは?
老化して分裂を停止した細胞だけを、選択的に死に導く薬です。
オーストラリアの研究
オーストラリアのサウスウェールズ大学で行われた研究では、老化の原因の1つであるDNAの損傷の修復を促す物質を、老化したマウスの細胞に作用させたところ、わずか1週間で若返りが見られたとのことです。
研究によって明らかとなった技術は、宇宙放射線の影響を受ける宇宙飛行士にも利用できるのではと注目されており、人間に応用される日も遠くないとされています。
《参照》
・ BBC
・ THE Sun 老化をすすめる5つの原因
遺伝子プログラム
細胞の一つ一つに分裂回数の限界があります。細胞の中にある染色体には末端にテロメアという部分があり、細胞分裂するたびにテロメアが短くなっていきます。
テロメアが一定の長さより短くなると分裂を停止し死に至るとされています。
DNA損傷
遺伝子を構成するDNAが紫外線や活性酸素により傷つけられ、修復されないままになると、やがて正常な活動ができなくなり死に至り、個体の死につながります。
活性酸素
呼吸により取り入れた酸素の一部が活性酸素という有害物質に変化し、細胞を酸化させ劣化します。
糖化反応
食事から摂った余計な糖質が変化すると、糖化最終生成物という物質になり細胞の劣化を招きます。
その他
ホルモンバランスの変化や、免疫機能の異常も老化の原因となると言われています。
老化を感じやすい体の部位
お肌
加齢によってお肌の角質の水分がによって減少したり、 乾燥によってお肌のターンオーバーがうまくいかなくなります。
また、紫外線の影響が蓄積されたり、表情筋などの衰えによって、見た目に変化が現れやすい部位です。
髪
加齢によって髪の毛に十分な栄養が届きにくくなることがあり、髪が柔らかくなる、細くなる、 抜け毛の原因となる場合があります。
また、髪の毛の色を形成するメラニン色素は、チロシナーゼという酵素の助けを受け産生されますが、老化によってチロシナーゼが減少すると白髪となります。
生殖器
生殖可能年齢が終われば、男女ともに機能の変化が訪れます。
■ 女性
月経不順になって徐々に月経の間隔が空き、50歳前後で閉経し、以後は膣が潤いにくくなったり膣炎になりやすくなったりします。
■ 男性
性欲の変化や勃起機能の低下があります。
目
加齢と共に水晶体の弾力性がなくなったり、水晶体を支えている毛様体筋が弱るため、調節機能の低下( 老眼)や 白内障が引き起こります。
耳
加齢と共に発症しやすくなる 老人性難聴は50~60歳ごろから徐々に進行します。
中枢神経系の加齢にともなう変化の影響もあり、音がひずんで聞こえ何と言っているか判別できなくなったり、周囲の雑音が多いと聞き取れないといった状態になります。
神経系
加齢によって記憶力や判断力に衰えが生じ、脳が老化していくことによって アルツハイマーなどを発症するケースもあります。
体の部位別で違う!若さを保つお手入れ方法
お肌
お肌を強くこすったり、揉んだりするとお肌の表面にも強く負担がかかり、お肌の老化を早めてしまう可能性があるので注意してください。
また、紫外線対策として日焼け止めを利用したり、外出時は日よけとして日傘、つばの広い帽子、マスク、長袖などが有効です。
他にも、心身の緊張や睡眠不足による心理的ストレスもお肌の免疫能力低下につながりますので、リラックスタイムやストレスの解消ができる時間を取るようにしましょう。
髪
食生活と睡眠は、健康な髪の育毛と発毛に欠かせない習慣です。規則正しい生活習慣を心がけましょう。
特に、睡眠時間を確保することによって、頭皮や髪のダメージを修復することができます。
また、紫外線もお肌と同じく髪の毛にダメージを与えますので、ヘアエッセンスやオイルを使った「 アウトバスケア」を、紫外線の多い日中に外出する前日の洗髪後に行うと、紫外線から髪を守ってくれることも期待できます。
日中外出時は、髪や頭皮が直接紫外線を浴びないように、日傘や帽子で髪を保護しましょう。
生殖器
■ 女性
適度な運動をしたり、膣や肛門の筋肉を引き締めたりゆるめたりする骨盤底筋群の体操で予防していきましょう。
また、膣粘膜が薄くなって萎縮してしまったものに対して、レーザー治療を行うことによって細胞を活性化させ、若返らせることを目的とした膣のエイジングケアも行われております。
■ 男性
勃起不全などの問題は、 動脈硬化、 糖尿病、 高血圧といった血管や神経の障害による原因があります。
暴飲暴食を避けたりするなどの健康に気を使ったり、ストレスを溜めない、定期的な運動も有効でしょう。
目
眼の老化である老眼を予防するにはサングラスが有効です。サングラスは太陽からの有害な紫外線から眼を保護する役割を果たします。
また、血行不良による老眼の進行を防ぐために、 体の冷えに気を付け、長時間のデスクワークをされているかたはストレッチなどを定期的に行うと良いでしょう。
耳
耳に起きる老人性難聴の直接的な予防法は、残念ながらあまりありません。
しかし、大音響や重低音をヘッドフォンなどで長時間聞いたりすると、耳に負担をかけることになりますので控えましょう。
また、動脈硬化を防ぐことによって老人性難聴のリスクを下げる可能性もあります。
神経系
神経系の老化による記憶力や判断力、発想力の低下については、脳のトレーニングが有効と考えられます。
脳の活性化には料理、楽器の演奏、映画鑑賞、読書などがおすすめです。
薬に頼らず老化防止するために心がけること
食生活
動物性脂肪や添加物を避け、活性酸素を発生させない抗酸化物質を摂る食事が有効です。
新鮮な野菜・果物(特に色の濃いもの)、青魚や、エゴマ油、亜麻仁油に含まれるオメガ3脂肪酸などを摂るようにしましょう。
また、糖質を取りすぎないことが糖化による老化を防ぎます。
運動
ジョギングやウォーキングなど有酸素運動の場合は、多少は活性酸素も増えますが抗酸化力も高まるため酸化ストレスを減らす効果があります。
激しすぎる運動は活性酸素を増やしてしまうので注意しましょう。
生活習慣
喫煙によるニコチンは血管を収縮させ、ビタミンや亜鉛を多量に消費してしまうため、老化を招きやすくなりますので禁煙をおすすめします。
また、深酒は肝臓はじめ臓器に負担をかけ、老化を促進すると考えられますので、節度を持ってお酒をたしなむようにしましょう。
メンタル面
精神的ストレスは免疫系、内分泌系のバランスを崩し、活性酸素を増やします。
深呼吸をしたり、カラオケなどで大声を出したり、たまには散歩をするなど、自分のストレスの解消法を持つと良いです。
最後に医師から一言
いつまでも若々しくいたいという願いは多くの方が持っています。
今は美容整形などで見た目のアンチエイジングをするのが主流ですが、いずれ薬で体の中から若返りや老化予防をするのが普通になるかもしれません。
(監修:Doctors Me 医師)