本好きリビドー(148) (2/2ページ)
伝説のポルノ男優の30センチ砲を根元まで飲み込むフェラチオは、日本にこの言葉を定着させるのに一役買った。
または『プッシー・トーク』も。意志を持った女性器が、持ち主の人妻の性体験やトラウマを勝手にしゃべり始めるという、とんでもないフランス製ポルノだった。
『洋ピン映画史』(彩流社/3000円+税)は、そうした名女優と傑作が日本に進出し、やがて映画館からこつぜんと姿を消すまでの興亡史を丹念に追った1冊だ。黄金時代といわれた70年代から末期の90年代まで、日本の風俗事情の変遷とともにつづった洋ピンのヒストリー本である。
日本のロマンポルノが演技で見せる擬似セックスだったのに対し、洋ピンは本物の挿入映像だった。合体シーンにはモザイクが施されていたが、愛液と精液が飛び散る様は迫力に満ちていた。筆者の二階堂卓也氏は、それを「過剰なる“欲望”のむきだし」と評する。そう、洋ピンの性描写は日本人が見たことのない獣同士の性交だったといえよう。
過剰なセックス映像を、ここまでヤルかと過剰にルポした、面白い書籍である。
(小林明/編集プロダクション『ディラナダチ』代表)