クレーコート・シーズンに向かう中、フェデラーは休暇へ

テニスデイリー

クレーコート・シーズンに向かう中、フェデラーは休暇へ

 ロジャー・フェデラー(スイス)は先週終わった「マイアミ・オープン」(ATP1000)で、ときどきちょっとした過失をおかした。例え

ば、ある試合中にスコアを勘違いしたり、サービスを打つサイドを間違えたり…。彼はいま35歳だが、まさか年齢は関係ないだろう。

 フェデラーはこれから8週間、ツアーから遠ざかることを予定している。彼は2週間前のインディアンウェルズ(ATP1000)に続いてマイアミでも自分よりも若い男たちの中で“猛威”をふるい、2週連続優勝を果たすとともに、1月の全豪オープンと合わせて今年3勝目を挙げた。それにもかかわらず、彼はゆっくりと確実な歩調で進むことを望んでいるのだ。

 加えて7歳の双子の娘と2歳の双子の息子を持つフェデラーには、ほかにもやらなければならないことがあるという。

 「体はしばしの休息を必要としている。それと、家族が僕を必要としている」とフェデラー。「家族のいるところにいたいんだ。今、そのことを楽しみにしている」。

 フェデラーがとるに値する休暇を始めようとしている一方で、今週始まるクレーコート・シーズンの間、テニスファンたちが楽しみにできることはたくさんある。

 ラファエル・ナダル(スペイン)はお気に入りのサーフェスであるクレーコートでいい進撃をする準備ができていると信じており、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、アンディ・マレー(イギリス)はまもなく故障から戻ってくることが予想されている。

 30歳のナダルは日曜日にフェデラーに対する今年3度目の敗戦を喫し、また、マイアミ決勝での戦績を0勝5敗と悪化させた。5度決勝に至って全敗というのは、すべてのプレーヤーを見回してもオープン化以降の最悪記録とタイとなる。

 ナダルは昨年の春から優勝に見離されており、2014年の全仏オープンで14番目のグランドスラム・タイトルを獲得して以来、一度もメジャー・タイトルを獲っていない。しかし彼は今年ハードコートの3大会で3度準優勝したことをポジティブな結果と見ており、ここ3ヵ月をよいものと評価している。

 「僕は自分がそうであるべき状態に近づいており、非常に高いレベルにある」とナダル。「自分にはタイトルを獲得する準備ができていると信じている」。

 そこには全仏オープンも含まれるのだろうか?ナダルはクレーコートの大会をフルでプレーする予定でいるが、自分をロラン・ギャロス(全仏)の優勝候補に挙げる用意はまだないようだった。彼はロラン・ギャロスで記録的な9つのタイトルを獲得しており、これまでに74試合戦って2度しか負けていない。大会は5月18日に開幕する。

 「自分が全仏オープンの優勝候補かどうかはわからない」とナダル。「全仏の前に、まだ4大会がある。これら4大会で何が起こるか見てみよう」。

 フェデラーもクレーでのナダルのチャンスを信じている。「クレーコート・シーズンはすぐそこまできている」とフェデラーは日曜日の表彰式の際に、長年のライバルに向かって言った。「君がそこで大暴れをするだろうと確信しているよ」。

 また、クレーでの戦いには、2016年全仏チャンピオンのジョコビッチと準優勝のマレーも絡んでくるはずだ。ふたりはともに肘の故障のために3月のマイアミをスキップし、ともに今月の復帰が予見されている。

 男子のドローはしばらくの間、フェデラーなしとなる。彼は今季、ハードコートの上で19勝1敗という戦績をひっさげ、2006年以来最高のスタートを切った。しかしフェデラーは全仏に先立つすべてのクレーコート大会(モンテカルロ、マドリッド、ローマ…)をスキップする予定だ。

 フェデラーは彼の優雅なテニスのスタイルにもっとも適していないグランドスラム大会、ロラン・ギャロスへのコミットメントについても少しばかりはぐらかしていた。

 「君たちはたぶん、全仏でふたたび僕の姿を見ることになるだろう」とだけ、彼は言ったのだ。

 膝の故障のために2016年の最後の6ヵ月を棒に振っていたフェデラーは、現在の自分は健康であり、その状態を保ちたいのだと話した。そのことを胸に、彼はクレーコートの大会に出始めることを全仏の1、2週間前まで待つ予定にしている。

 「僕の膝は昨年、クレーで本当に奇妙な具合だった。だからたぶん、可能な限りクレーから遠ざかるのはいいことなんだと」とフェデラーは言った。

 休暇を始める前にフェデラーは、31年間ツアーの主要大会であり続けている牧歌的なマイアミ・キービスケーンに賛辞を述べた。大会主催者は大会はマイアミにとどまると言っているが、2015年に施設の改築案が上級裁判所の決断で却下されて以来、大会の未来は疑問に付されている。

 「ツアーでもっとも素敵な雰囲気の大会だ」と、マイアミ優勝歴3回のフェデラー。「本当に美しい停留地だ。これからもずっと盛況な大会であり続けるよう願っている」。(C)AP(テニスマガジン)

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