ITプロジェクトの遅延・頓挫を防ぐ5つの秘訣 (3/3ページ)

新刊JP

そして、ITプロジェクトには、要件定義、基本設計、詳細設計、製造・単体テスト、結合テスト、システムテストなど、さまざまな工程がある。これらの進捗は、費やされた工数という十把一絡げの指標だけでは計れない。

この3つの問題も、プロジェクトが遅延する原因であると著者は述べている。

■発想を転換する「CCPM理論」

「CCPM理論」は、目標への到達を妨げる要因(=制約条件)に注目し、それを活用することによって少ない労力で最大限の成果を得るというTOCの考え方を基に、プロジェクトの最適なマネジメントを実現する。
そのために、やるべきことは次の5つだ。

1.マルチタスクを排除する
2.クリティカルチェーンによるマネジメント
3.個々のタスクからバッファ(安全余裕)を取り出す
4.バッファの消費状況で、プロジェクトを管理する
5.フルキットの状態にして、タスクに取り掛かる

これらの手法の詳細は、本書を読んで理解していただきたいところだが、驚くべきはその結果だ。本書では、このCCPM理論をもとに、大規模なITプロジェクトを手がけた大手企業の事例が、ドキュメンタリータッチで綴られている。
さまざまな苦難に満ちたこの大手企業のプロジェクトは、「実現化フェーズ」で計画の90日を65日に短縮。「テスト・移行フェーズ」では144日の計画を107日まで短縮した。
しかも、CCPM理論を導入してからは、平均残業時間が半減した上、休日出勤をしたメンバーもほとんどいなかったという。

この理論は、プロジェクトマネジメントを手がける人たちにとっては、一見すると天地をひっくり返すような発想だ。しかし、その成果は確かなものである。一読して損をすることは決してないだろう。

(新刊JP編集部:大村 佑介)

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