戦時問題を抱える韓国とベトナム「蜜月関係」を築いた四半世紀

まいじつ

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韓国がベトナムとの修好25周年を控え、同国への大々的な投資、経済関係の強化を目指すと発表した。現在の290億ドルの投資を、2020年に700億ドルへ倍増するという。すでに両国の間にはFTA(自由貿易協定)が締結されており、2016年第3四半期だけでも、韓国とベトナムの貿易は56億ドルに達している。

両国の経済交流を示すように、ベトナム各地には、ロッテデパートやマートが営業しており、現代ホテルも盛況のようだ。

「2009年に韓国とベトナムは『戦略的パートナー宣言』を行い、軍事的な協力下にあります。ベトナムに駐在している韓国人ビジネスマンや、それを相手とする韓国人風俗関係者は10万人を越えているほどで、ハノイやホーチミンにはコリアンタウンまで出現しています」(現地商社勤務会社員)

特に韓国のヒップホップは大人気で、韓国に憧れる若者は多い。韓国の寄付によって建てられた教育施設があって、大学では韓国語コースが人気だ。そこからあぶれた学生が、仕方なく日本語コースを受講しているという。

しかし、年配のベトナム国民は、共産党一党独裁政権が韓国の投資を歓迎していても、ベトナム戦争に参戦した韓国が派兵した陸軍の猛虎部隊、白馬部隊、海軍の青龍部隊の蛮行を忘れていない。

ベトナム戦争時に「蛮行」を行った韓国

そのなかでも、猛虎部隊と青龍部隊は民間人の大量虐殺を行ったといわれており、一部にはベトナム人女性を慰安婦にしたという証言もある。ちなみに、ベトナム戦争への参戦を決断したのは、先日逮捕された朴槿恵の父の朴正煕であり、猛虎部隊を率いたのは、大統領の任期を終えた際に逮捕された全斗煥だった。

「韓国軍による民間人虐殺を追悼する記念碑が、ベトナムの各地に建てられていますが、韓国はこの蛮行に対して謝罪も補償もしていません。韓国軍人らとベトナム人女性との間にできた混血児を『ライタイハン』と言います。ライはベトナム語で混血、タイハンは大韓のベトナム読みです。これらの人々は、最大5万人ともいわれ、社会的に差別されているのが実情です」(軍事ジャーナリスト)

韓国が日本に対して『従軍慰安婦問題』を持ち出す際に、一部の日本人が反論のためにライタイハン問題を持ち出すことがある。だが、日本が指摘するほど、韓国はベトナム人に嫌われていない。

四半世紀で蜜月関係を築き上げた両国。しかし、韓国と日本はそう簡単に昵懇の仲というようにはいかないようだ。

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