久々に来た? 刺さるジャパンの「12」。東海大の鹿尾は笑顔で踏み込む。 (1/2ページ)

ラグビーリパブリック

 4月9日、東京・秩父宮ラグビー場。第18回東日本大学セブンズ大会のさなかのことだ。

 東海大の選手たちが、自分たちの試合を終えてゴールポスト裏のベンチへ引き上げる。チームを率いる木村季由監督の前を、1人ひとりが会釈しながら通過する。そのなかで、にっと白い歯を見せてお辞儀をする4年生がいた。媚びるでもなく、距離を置くでもなく。常日頃から屈託のない人のようだった。その姿を見届け、指揮官は言った。

「そう、こういう感じなんです」

 チームのムードメーカーで鳴らす鹿尾貫太は、公式で「身長177センチ、体重90キロ」と決して大柄ではないサイズながら、コンタクトの多いインサイドCTBを任される。東福岡高を経て門を叩いた東海大では、1年時から公式戦に出場。3年目の昨季はレギュラーに定着した。

 今年3月は若手強化を目指すジュニア・ジャパンに加わり、フィジー(スバ)でのパシフィック・チャレンジに参戦。環太平洋諸国の巨躯へも果敢にぶつかり合った。その活躍が認められてか、日本代表のジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ(HC)が仕切るナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)にも呼ばれた。都内で4月10日から5日間、第4回NDSキャンプに参加する。

 東日本大学セブンズ終了後にNDS入りの感想を問われ、間髪入れずに「率直に嬉しい」。好漢ぶりがにじむ。

「レベルが高い場所でやれる。いままで支えてくれた人たちに感謝したいです」

 

 その白眉はタックル。名刺代わりの一戦となったのは、前年度の大学選手権決勝戦だ。今年の1月9日、秩父宮で帝京大と演じた80分間だ。

 結局は26-33で屈し、向こうの大学選手権8連覇を許した。しかし青いジャージィの背番号「12」は、フィジカリティに自信を持つランナーたちに次から次へと刺さった。

 以後、周りの自分への反応に変化を感じ取ったという。

「あの試合があってから、いまの自分がいる。自分の強みを出す時間が多くて、それを皆にアピールできたというか、知らしめることができたと思います」

 

 日本ラグビー界では、CTBを外国出身選手が務めるケースが多い。

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