3年ぶり国内新車販売増の一因になった日産の車作り原点

週刊実話

 日本自動車販売協会連合会が発表した2016年度の軽自動車を含む国内新車販売台数は、507万7904台と、3年ぶりに増加に転じた。そのうち軽自動車は5.1%減の171万9971台と、ピークだった'13年度から3年連続の減少となった。燃費不正事件や軽自動車税の増税などで低迷している軽自動車の苦戦を、好調な普通車が補った格好だ。
 「普通車増加の一番の貢献車種は、トヨタの4代目プリウス。'15年末の発表後から安定して台数を確保し、トヨタの販売増にもつながりました。このままトヨタ一強かと思いきや、'16年度一番の波乱と言える出来事が11月に投入された日産『ノートeパワー』の大ヒット。既にモデル末期だった『ノート』に、エンジンでモーターを充電しつつ動力源にもする『eパワー』を搭載。従来の電気自動車では自宅などに電気を充電するシステムを新たに設置する必要があり、敬遠されがちでしたが、この『eパワー』は外部からの充電が不要ながら電動自動車のパワーを楽しむことができ、かつ高燃費という一石二鳥の発想で、日産久々の大ヒット車種となったのです」(自動車ライター)

 日産は'16年11月の新車販売台数で、1986年9月以来、30年ぶりの首位奪還を果たした。
 「『ノート』の大ヒットは、モデルチェンジを行うことで台数を稼いでいた従来の販売スタイルを完全に否定するような、エポックメイキング的な出来事です。フルモデルチェンジから4年たった車種が新車販売月間台数で1位になるというのは近年あまり聞いたことがありません。実際に『ノートeパワー』の加速と減速は、ガソリン車や従来のハイブリッド車にはない運転する楽しさを感じることができます。日産がCMで言う“やっちゃえ”の発想は、他メーカーにとっても車作りの原点に立ち返って開発を見直すきっかけになるかもしれません」(同)

 今年は2年に一度の『東京モーターショー』が10月に開催される。国産各メーカーは若者の車離れなどの寂しい風潮を吹っ飛ばしてほしいものだ。

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