他界アピールする困ったオタク:ロマン優光連載82 (1/3ページ)

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他界アピールする困ったオタク:ロマン優光連載82

ロマン優光のさよなら、くまさん

連載第82回 他界アピールする困ったオタク

「ライブも毎回行って盛り上げて、物販でもあれだけお金をかけてるのに、推しの子が特別扱いしてくれない! 他のオタクと同じ扱いなんて信じられない! 他界する!」とネットで騒ぎたてて、「他界されたくなかったら特別扱いしろ」みたいにアイドルを脅している小規模な現場のアイドルでのオタクの人ってたまにいますよね。ここで言われている『特別扱い』というのは「何枚CDを買えばディズニーランド・オフ会が特典に!」みたいな制度を導入してくれって話じゃなくて、「○○ちゃんにもっとちやほやして欲しい!」みたいなやつですね。まあ、努力が報われないのは気の毒には思いますけど仕方ないことですよね。
 ファンを増やしていって売れようという気持ちがあるアイドル運営だったら、特定の客を露骨に特別扱いすることを許しはしないものです。お金を沢山払った人に特別待遇みたいなことをそんな形でライブの場でやってたら、お金は回るかもしれませんが、端から見て感じがよくないので、新規のお客さんが増えませんもの。それを許すような運営はもう日銭を稼ぐことしか考えていないところで、あんまりいいとことはいえないですよね。
 実際のところ、わかりやすくちやほやしてくれないだけで、ある種の特別扱いをされてる場合というのはあると思うのですよ。それは、物販の時のちょっとした距離だったり、会話の内容だったり。「私はあなたを信頼しています」というサインが出てる場合も多いのです。でも、そういう人はそれじゃ納得しないんですよね。もっと、わかりやすい『ちやほや』を求めてしまうのです。
 こういう人たちは無意識にお金で心を買おうとしているのです。お金では人間の気持ちをなかなか買うことができません。私たちがアイドル現場の物販で買えるとしたら、規定に定められた彼女たちの時間、チェキをとったり、それを持ち帰ったり、その間に会話する権利ぐらいのものです。それ以上のものを求めるのは無理な話です。彼女たちが一生を贅沢に暮らせるぐらいのお金を直接渡してるわけならまだしも、所詮は物販で使うレベルの金額でしかないし、彼女たちがその金を全額もらえるわけでもないんですよ。

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