【プロ野球】「5月男」の伝説。秋山幸二と杉内俊哉。球史が誇る「ミスター・メイ」の圧倒的な成績を見よ! (1/2ページ)
今日から5月。開幕から1カ月。開幕ダッシュでつまずいてしまった球団や選手も、月代わりをキッカケに仕切り直して、「まだまだペナントはこれから」という気概を見せて欲しいもの。そんなとき、チームに欲しいのが「ミスター・メイ」の存在だ。
4月は今ひとつなのに、5月になるととたんに打ち出す、あるいは勝ちまくる「ミスター・メイ」が球界には存在する。投打の5月男の伝説を振り返ってみよう。
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■打のミスター・メイ
打者における「ミスター・メイ」といえば、西武とダイエーで活躍し、2014年に野球殿堂入りも果たした秋山幸二で決まりだ。
わかりやすい根拠が「月間MVP」だ。キャリア通算で3度の月間MVPを受賞したうち、2度が5月だった。
■1985年5月:打率.366/13本塁打/28打点
■1991年5月:打率.363/12本塁打/27打点
ちなみに、もう1度は1990年9月(打率.282/9本塁打/17打点)。比較すると、9月の月間MVPよりも、5月の記録の方が図抜けて良かったこともわかる。
月間MVP以外にも、5月の秋山はさまざまな「固め打ち」も披露している。
■5試合連続ホームラン:2回(1985年5月19~26日、1991年5月4~9日)
■9試合連続打点(1985年5月17~30日)
■5 試合連続勝利打点(1987年5月16~22日) ※プロ野球記録
ではなぜ、5月の秋山はこうも打ちまくったのか? その解について、自著『卒業』でこう記している。
《もともと、寒いのが嫌というのもあるが、気候的に五月がもっとも野球に専念できた。花粉症の時期がすぎ、温かくなって体が動いてくるのもそう。それと、開幕から約一ヶ月が経過して、対戦投手の傾向もつかめてくるのが大きかった。だから、開幕当初の四月に打てなくても、五月になれば調子が上がってくると自分の中で暗示のように言い聞かせていた》(『卒業』より抜粋)
キャリア20年で、通算2157安打、437本塁打、1312打点、303盗塁という記録を残した秋山。そのいずれにおいても、5月の成績がもっともよかったのも、彼の「ミスター・メイ」ぶりを示しているだろう。