最近よくつまずくかも…「ロコモ」が若い女性に急増しているワケ
運動能力に問題が生じるロコモティブ症候群(ロコモティブ・シンドローム)ですが、高齢者のイメージを持たれる方が多いと思います。
実は今、ロコモが20〜30代の女性の中で急増しています。(
参考)
今回は医師の松本先生にロコモの原因や予防法、ロコモセルフチェックなどを解説していただきました。
ロコモとは?

ロコモティブ・シンドローム(運動器症候群)の略で、筋肉・骨・関節・軟骨・神経などの運動に深く関与する体の部分に問題が起き、「立つ」「歩く」といった、基本的な動作の機能が低下している状態です。
ひどくなると日常生活にも色々と問題が起きてきます。
20〜30代の女性にロコモが増えた背景

特に女性は筋肉の量が男性と比べて少ないので、ロコモになりやすい傾向にあります。
体を動かす機会の減少
現代的な電化した生活で、車での扉から扉への移動、エレベーターやエスカレーター、洗濯機や掃除機の使用、机仕事の増加など、日常生活で体を動かす機会が減ってきていることもあります。
また、仕事が忙しすぎて運動する機会が無いことなどが、若い世代にもロコモが起きる原因です。
コンビニ食などの偏った食事
コンビニ弁当やサンドイッチなどの不適切な食事で、筋肉や骨や軟骨が適正に作られない、神経細胞の機能が落ちる、といったことも大きな要素でしょう。 ロコモの主な原因

筋力低下
下半身などの筋力が落ちることにより、立つ・歩くなどの動作の能力が低下します。何もしなければ10年で10%程度筋肉は落ちていきますから、特に加齢は大きな原因です。
バランス能力の低下
日頃の運動不足で、バランス能力も低下します。筋力低下とバランス能力低下のダブるパンチで、ロコモになる可能性がより高まります
骨、関節、筋肉の病気
変形性関節症、骨粗鬆症、脊柱管狭窄症、リウマチなどにより、痛みによって動かさなくなる、節々を動かせる範囲が小さく動かさない、こうしたことでよりロコモになりやすくなります。
■ 骨粗鬆症
更年期障害の強い女性、閉経後の女性や高齢の男性に起きやすく、ちょっと転んだだけでも骨折しやすくなりますし、骨折するとより動かない傾向にあり危険です。
■ 変形性関節症
特に膝や股関節の場合、痛みもあって、過度な安静になりやすく、筋力が低下し、悪循環になってしまいます。
■ 脊柱管狭窄症
様々な原因で背骨の神経が圧迫され、足や手にしびれや痛みがでて、動くのが難しくなり悪循環になります。
使わないことによる身体機能の衰え
筋力、持久力、反応鋭敏さ、運動速度、バランス能力などは常に使われる(鍛えられる)ことによって維持・向上できます。
逆に使われないと能力は低下していき、転倒などにつながり、運動器自体の疾患の原因になってしまう、という流れになります。 ロコモの症状

■ つまずきやすい
■ 背中・おしり・腰・足の付け根・膝などが痛い
■ 椅子から立ち上がりにくい
■ 和式トイレが使いにくい
■ 転びやすい
■ 歩くとすぐに疲れる
■ 人より歩く速度が遅い
■ 重いものを持つとすぐに疲れる
■ 階段を上りにくい
上記の症状など、日常動作が難しいと感じます。 病院でのロコモの治療法

軽度のロコモの場合、医療機関での治療よりも、日常生活の訓練や改善が中心です。
変形性関節症、骨粗鬆症、 脊柱管狭窄症、 リウマチなど、ロコモの原因となる病気やケガがある場合はそれぞれの病気に対する治療をしつつ、筋トレなどのリハビリテーションをすることがあります。 ロコモの予防法

適切な食事をする
特に脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラル・抗酸化物質などの栄養素が適切に体の中で利用できることが大切です。
年齢と共にタンパク質や脂質を消化する機能が低下する傾向にあるのは事実ですが、タンパク質や脂質は体に絶対に必要な栄養なので、お米やパンや麺類ばかり食べずに、きちんとした食事をしましょう。
日常の中で動く量を増やす
改まって運動をする機会を持つのが難しくても、エレベーターを使わない、早足で歩く、ぞうきんがけをするなど、日常の生活の中で動く量を増やしましょう。
ロコモ度が分かる!簡単セルフチェック

日本臨床整形外科学会によると、下記の7つの項目のうちひとつでも当てはまればロコモが疑われるとされています。
□ 片脚立ちで靴下がはけない
□ 家の中でつまずいたり滑ったりする
□ 階段を上るのに手すりが必要である
□ 横断歩道を青信号で渡りきれない
□ 15分くらい続けて歩けない
□ 2kg程度の買い物(1リットルの牛乳パック2個程度)をして持ち帰るのが困難である
□ 家の中のやや重い仕事(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)が困難である 最後に松本先生から一言

人は動くように作られています。
座りっぱなしの生活はタバコと同じように生命にとって危険ですし、 便利なものに頼った生活も自分自身の能力を落とすことに直結します。
便利な生活は病気を作るもとになると肝に銘じて、 快適さを享受しつつも、健康的に過ごす知恵をつけましょう。
【監修:医師 松本 明子】
プロフィール)
1968年生まれ、鳥取大学医学部卒業。広島の病院で内科勤務した後、2009年~海外転出し、アメリカで予防医学を学ぶ。
2013年~「DNA Diet and Lifestyle遺伝子に沿った食事と生活」という、オンライン健康プログラムにより自然治癒力を最大限に引き延ばす、老化と病気の予防と治療のための健康指導を行っている。