桐谷美玲（27）が主演を務める「人は見た目が100パーセント」（フジテレビ系）第4回が5月5日に放送され、平均視聴率5.5％（ビデオリサーチ調べ・関東地区）となり、前回より0.5ポイント落として最低視聴率を更新した。

　第4話ではイケメン美容師・榊圭一（成田凌）への恋心を自覚した女子モドキの主人公・城之内純（桐谷美玲）がアプローチの方法に悩む姿や、新たなおしゃれに挑戦する女子モドキ3人組の様子が描かれましたが、残念ながら視聴率の下降に歯止めがかかっていません。

　視聴率低下の原因をつらつらと考えてみると、やはりテンポの悪さにあるような気がしてなりません。ドラマは中盤に差し掛かっているにも関わらず、相変わらず純は自信が持てないままネガティブな言動を繰り返し、ちっとも話が進まないのです。好きな人への振る舞い方がわからずに、くよくよしている姿は高校生くらいならばまだ可愛く思えますが、これがいい年をした大人の女性ともなれば「いい加減にしろ！」と一喝してやりたくなります。

　そもそも圭一が持つ外見以外の魅力っていったいどこにあるのでしょうか。イケメンであるにも関わらず誰にでも分け隔てなく接する優しい人に描こうとしているのはなんとなく伝わりますが、その描写がどうにも薄っぺらい。純に微笑みかけたり、シャンプーのサンプルを渡したり…。そもそもそれって優しさというより、ただの営業なんじゃないの？とひねくれ者の私は考えてしまうのです。

　純の恋愛模様よりもよっぽど面白いと思えたのが、水川あさみが演じる女子モドキの既婚者・前田満子のパート。4話にして初めて旦那が登場しましたが、ありふれたルックスで、人のよさそうな旦那・芳彦（山崎樹範）のキャスティングが絶妙です。

そして芸歴が長いだけあって、さすがに水川あさみは演技がうまい。彼女特有のハスキーボイスが気になったこともありましたが、今回は生活に疲れている主婦の感じがよく出ています。芳彦とのなれそめを話す満子や、結婚を「人生最大の失敗」とぼやきつつ、後悔はしていないと語る満子は何だかんだ言って幸せそう。ルックスは圭一に劣るものの、前田夫婦の方がよほど人間的な魅力に溢れていて、これからの二人の関係が気になります。

　もう巷に溢れまくっているイケメンとフツーの女性のラブストーリーはここらで打ち切って、前田夫妻にスポットを当ててみたらいいのではないのでしょうか。決して不仲ではないけれど、長年の結婚生活で気遣いを忘れてしまっている夫婦関係なんて、視聴者から共感を得られると思いますよ。

　5話を迎える来週は、ドラマもようやく折り返し地点。純が圭一の店に行くことから話が始まるようですが、いい加減、二人の進展を期待できるのでしょうか？　いや、ないと困ります！　グダグダした話の展開にはもうすっかり飽き飽きしているのですから……。そして次回こそは圭一の魅力をもっと丁寧に描いてほしいものです。

文・Harumaki（ドラマウォッチャー）