五月場所をかき回す「五人の無双」ガチ総見(1)稀勢の里のケガの具合 (1/2ページ)
奇跡の逆転優勝から1カ月半──。東の正横綱の座に就いた稀勢の里が、満身創痍で夏場所に挑む。約1年ぶりの賜杯奪還にかける白鵬、大関取りに挑戦する高安にファンの注目が集まる中、「未完の大器」が入幕を果たした。待ったなしで初日を迎える五月場所は、この「五人の無双」から目が離せない。
3連覇を狙う横綱・稀勢の里(30)は5月1日、この日の番付発表を受けて会見し、負傷した左腕や左胸の状態について、
「痛みはほとんどない。下半身を中心に基本に戻って徹底的に稽古をやってきた」
と述べたものの、申し合いなどは行っていないことを明かした。
相撲ジャーナリストの中澤潔氏が言う。
「稀勢の里のケガで思い出すのは、かつて横綱・栃ノ海が対戦中、右上腕の筋肉を断裂してしまったことです。ケガしたところを押せば肌が直接骨に当たるほどの重傷で、結局、これが引退の原因となってしまったのです」
そのうえで、中澤氏はこう言って横綱を気遣う。
「稀勢の里が出てくれば、彼を中心に土俵が動いていくが、1日の会見を見るかぎり、強がりを言っているように聞こえました。ケガを乗り越えられればいいが、悪化させないよう、ここは一場所休んだほうがいい」
実際、稀勢の里は3日の横綱審議委員会による稽古総見を休んでいる。年に1度の一般公開イベントだけに、開場前の午前6時50分には2538人が並ぶほどの大盛況。しかし、お目当ての日本人横綱は現れず、春日野広報部長(元関脇・栃乃和歌)は、
「連絡? なかった。無断欠席? そういうことだね。理由はわからない」
と声を荒らげた。当の本人は部屋で稽古を終えたところで「無断欠席」のニュースを知り、「俺もびっくりした」と困惑しきりだった。
協会幹部からの問い合わせを受けた現在の師匠、田子ノ浦親方(40)=元前頭・隆の鶴=は、大慌てで八角理事長(元横綱・北勝海)に電話で報告。だが、実は、稀勢の里は2日夜、親方と相談して稽古総見の欠席を決断していたのだ。
「言わなきゃと思っていたんだけど。