社長が全身タイツのヒーローに変身!? オールドカンパニーを変える経営改革の全貌 (3/4ページ)
そこで魅力的なプレゼンや宣伝ができれば「フムフム」と考えさせられ、最終的に「なるほど!」が引き出せれば、顧客が獲得できる。そして、それは実際に入校者数の増加という形で成果が現れたのだ。
また、「かめライダー」の格好でPRを始めてからメディア露出の機会が増えた。テレビ、ラジオ、新聞などに何度となく登場したが、それを広告費用で換算すると、なんと7000万円を超えるという。
「かめライダー」のコスチュームにかけた費用は50万円。費用対効果はかなり高いと言えるだろう。
「かめライダー」としての江上氏の活動は徹底している。イベントや小中学校での講演はもとより、新卒者のための合同会社説明会の場へも「かめライダー」として登場するのだ。
もちろん、「かめライダー」としての活動は、ただの奇をてらったものではない。
交通安全の大切さ、南福岡自動車学校の魅力、自分自身の信念。そうしたコアなメッセージをユーモアも交えつつ真剣に語るのだ。
しかし、もっとも注目すべきは「かめライダー」というキャラクターの意外性や面白さではないだろう。
「スーツ」=「古い常識」から脱却し、「タイツ」=「新たな価値」を生み出していく。この姿勢が、改革に臨む経営者に必要なのだ。
南福岡自動車教習所では「かめライダー」というキャラクターの他にも、既成概念にとらわれない新たな価値観でユニークな教習スタイルが生み出されている。
それは社員が「新たな価値」を創造できる風土があるからだ。
その風土も、江上氏自身が社員との向き合い方を改革していった結果生まれたものである。
人を束ねる立場になると「誰よりも敬われてないといけない」「賢くないといけない」「間違ってはいけない」なといったプライドが芽生える。すると、何かを指摘されたり、批判されたりしたときの「痛点」が人より敏感さを増すという。
批判に痛みを感じすぎると、無意味な反論をして部下を打ち負かしたり威圧して部下を黙らせたりして、良い提案を潰してしまう。そうなると部下は二度と自分に本音で話すことはないし、主体的に何かをやろうとは思わなくなる。