安倍政権が奏でる「崩壊の序曲」 (3/4ページ)
「これから参議院に移り、政府は国会会期末(6月18日)までの成立を目指していますが、審議を尽くさないまま数の力を背景にした採決に、野党をはじめ全国の自治体や一般市民からも“反対”の声が続々噴出中です」(前出の民放局記者)
共謀罪は、犯罪行為を「共謀した」という認定さえできれば、現行犯はおろか証拠すらなくとも強制捜査や逮捕ができる法律。昨今の世界情勢を背景に、政府は「テロ等準備罪」と呼称を変え、国際犯罪組織の取り締まりを定めた「パレルモ条約」の批准に必要不可欠として成立を目指した。
だが、本法案に反対の立場を取る弁護士の堀敏明氏は、こう語る。
「そもそも、パレルモ条約はテロ対策とは無関係です。この条約はマフィアの資金洗浄など国際的な経済犯罪の取締りが目的で、日本政府もこれを認めています。安倍政権だけが“テロ対策に必要な条約で、共謀罪がなければ批准できない”と嘘に嘘を重ねているんです」
政治ジャーナリストの角谷浩一氏も、この共謀罪の内容の曖昧さを指摘する。「政府は共謀罪の一般国民への適用はないと言いますが、どういう基準で一般人とテロリストを判別するのかは不明。この法律が成立して2~3年もすれば、一般国民に適用される可能性は、いくらでもあります」
実際、この法案を“戦時中、思想犯などの弾圧に使われた治安維持法の再来だ”とする批判もある。そうした懸念に対する説明責任を果たさず採決したことで、国民に大きな不信感を抱かせてしまった。
「採決前の世論調査では、77%の人が“説明不足”と答えていました。これを無視してしまったわけですから、代償は大きいですね。さらに、あろうことか、強行採決が行われた23日は、港区の東京プリンスホテルで首相の出身母体である自民党清和会(細田派)の政治資金パーティが予定されていました。金集めに間に合わせるため議論不十分のまま採決したのだとしたら、国民をナメすぎですよ」(民放局記者)
加計学園、森友学園、共謀罪と、説明不足を棚に上げて拙速に突き進む安倍政権に、自民党内からさえ「官邸は思い上がっている」との声が出始めているという。