世界三大レース特集:栄光のチェッカーを目指して。ル・マン24時間耐久レース【3か月連続連載企画】 (3/4ページ)

イキなクルマで

黎明期に実力を発揮したのはポルシェで「耐久王」の名を欲しいままにします。しかしその裏で実力を蓄えていたのはトヨタ、日産、マツダという日本の自動車メーカーたちでした。特にマツダは、ロータリーエンジンという伝家の宝刀でこのレースに挑み続けます。そして1991年、悲願の総合優勝を果たしました。日本の自動車メーカーの総合優勝はこれが初めてで、それと同時に現在まで唯一の日本車の優勝記録となっています。

そして90年代後半に差しかかると、再びGTカーが台頭し始めます。マクラーレンF1などが猛威を振るっていたのもこの頃で、1995年には関谷正徳が日本人として初めてポディウムの中央に立ちました。この後のGTカーは、市販車とのかい離が目立ち始めます。それを象徴するマシンとして1998年にはトヨタTS020が登場、物議を醸します。そしてここから再び、ル・マンはプロトタイプの時代へと入っていきます。

■ハイブリッドが主役となった現代のル・マンアウディ・R18 e-tron クワトロ photo by David Merrett(CC 表示 2.0)

2004年のル・マンには、初のディーゼルマシンが登場しました。ローラB2k/10Bキャタピラーがそれです。残念ながらレース開始後4時間でリタイアしましたが、ディーゼルの可能性を示すには十分なものでした。それに続くように21世紀の耐久王と呼ばれたアウディも、2006年にはディーゼルエンジン搭載マシンR10TDIで挑戦、見事優勝を果たしています。翌年にはプジョーもディーゼルを引っ提げ参戦、2009年に制覇しました。

潮目が変わったのは2012年、ル・マンがWEC(FIA 世界耐久選手権)に組み込まれてからです。これによりハイブリッドマシンが台頭し、優勝争いはこのハイブリッドマシンによって争われるようになりました。今年もその流れは変わらず、ポルシェとトヨタはハイブリッドシステム搭載車で挑むことになります。

■長いサーキットだけど、見どころは?photo by Rolling Start(CC 表示 2.0)

一周が13.629kmあるサルトサーキット。

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