安倍政権VS官僚「ドス黒バトルの行方」 (3/5ページ)

日刊大衆

「そのとき、前川氏が華麗なる文教ファミリーの一員であることが分かりました。それで官邸が彼の“コーカク(行確)”、つまり、行動確認を取っているうちにバー通いが発覚したという話です」(前同)

 こうなると、注目されるのが二階俊博自民党幹事長。二階氏が率いる党内派閥の志帥会は、中曽根元首相ゆかりの派閥だからだ。

 だが、さる5月26日の会見で『朝日新聞』の記者が志帥会と前川氏には浅からぬ縁があると問いただすや、二階幹事長は質問をさえぎり、「関係ない!」と声を荒げ、「そんなこと、この場で質問することじゃない。知らない人が聞いたら志帥会と(前川氏が)関係あるみたい(に思われる)。関係は、まったくありません!」と斬って捨てた。

「前川の乱の背景に、政界内の暗闘があるようにいわれていますが、二階幹事長は無関係。むしろ、怪しいのは麻生太郎財務相なんですよ」(自民党関係者)

 というのも、二階幹事長が激怒したのと同じ日、閣議後の会見で麻生氏が「獣医師の質の低下につながる」として、加計学園の獣医学部新設に反対の意向を示したからだ。「日本獣医師会も、加計学園の獣医学部新設に反対していますが、麻生財務相は、獣医師会の記念祝賀会で発起人を務めるほど、極めて親密な関係です」(前同)

 さらに、「麻生氏は安倍首相から禅譲を受け、もう一度、総理に再登板しようという狙いがあったんです。だが、待てど暮らせど、その機会がやってこない。年齢のこともあり、かなり焦っているようです」(同)

 かといって、前川氏と連携して政権を揺さぶろうとしているのかというと、そうでもないという。「そうなったら官邸としては一大事。政権内……それも側近から裏切り者が出ることになります。官邸も、それはないと判断しているようです」(官邸筋)

 そもそも、前川氏が乱を決意した直接の動機は、今年1月に発覚した、文科省の天下りあっせん問題にある。だが、これにも裏事情があるようだ。

「組織的問題だとして、当時、文科省事務次官だった前川氏は、就任半年で引責辞任に追い込まれました。しかし、天下り問題そのものでいうと、文科省は決して本丸ではありません。本丸は経済産業省や財務省の高級官僚。

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