ダウトをビリーフに。リーチ マイケル主将がジャパンを変える。

ラグビーリパブリック

歴史を変えたリーダーは、ふたたびファンを興奮させられるか。(撮影/松本かおり)

 窮地からの脱し方なら知っている。

 久々にゲームキャプテンを務める男は、明日のアイルランド戦で50キャップに達する。

 6月24日、東京・味の素スタジアムでアイルランドとの第2テストを戦う日本代表。サクラのジャージーは先週末の第1テストで22-50と完敗し、重い空気を背負い込んでいる。2015年におこなわれたワールドカップのアメリカ戦以来の主将となるリーチ マイケルは、こんなときには、と言った。

「(悔しい結果を受けると)自信をなくしがちになる。そんなときこそ自信をもってやることが大事。頭の中に出てくるダウト(疑問)もビリーフ(確信)に変える。映像を見たりして自分たちのやっていることを再確認し、こうすれば…というものを掴むのもいい」

 チームがいいときも悪いときも、主将として、チームの中核として力を発揮してきた男の言葉には力があった。

 明日の決戦では6番を背にピッチに立つ。共同主将のHO堀江翔太(リザーブ)、CTB立川理道(メンバー外)とも先発にいないから大役を任された。

 経験豊富な男は言った。

「(こういうときは)他人任せにしないこと。戦うメンタリティーを作らないといけない」

 前半に大量失点をして試合が崩れた第1テストを振り返って思う。

「戦術面は間違っていない。足りなかったのは、勝ちたいメンタリティー、戦うメンタリティー。自分たちはスキル面でどうにかしようとして、相手の方が必死だった。だから明日は自分たちの必死さを(ファンに)伝えたい」

 見るものにチームと選手個々の内面が届くファイトを見せると覚悟を口にした。

 負けたら終わりのワールドカップとは違い、同じ相手と2週続けて戦える。この機会を大切にしたいと話した。

「今回は、1試合目の課題を直せる。2019年(ワールドカップ)の準備と考えたら、いいチャンス」

 試合前日練習では緊張感もあり、チームから出る声は少なかったが、「明日の試合時に出せればそれでいい」と、若手も少なくない仲間たちに期待を込めた。

「9年かけて50キャップ。長くかかったけど、幸せなことだし、(節目の試合が)府中でやれることが嬉しいね」

 2年前に歴史を変えたリーダーは、チームのことも、個人のことも、淡々と、一つひとつの言葉を噛みしめるように口にした。

 この存在感が、足もとがまだしっかりしないジェイミー・ジャパンの空気を変え、勝利を呼びよせられるだろうか。

■「リポビタンDチャレンジカップ2017」 日本代表スコッド 写真つき選手名鑑

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