ちょっとズレてた。未来予想が外れてしまった映画作品10
20世紀から21世紀当初には優れたSF映画がたくさんあった。これらの作品は希望と夢と悪夢の未来を大スクリーンに描き出し、衝撃的だが現実離れした予言を行なった。
そして時は流れ2017年。中にはびっくりするほど的確な未来予測もあったが、外れてしまったものもあった。
ちょっと時間軸がずれただけで、そのあと起こりうる可能性も高いものもから、ちょっとこじつけなんじゃないの?と思うものまで、その主だった10作品が海外ランキングサイトにて特集されていたので見ていくことにしよう、そうしよう。
・10. ブレードランナー
Blade Runner (1982) Official Trailer
80年代のSFの名作。その世界には、見分けもつかないほど人間とそっくりな姿の人造人間”レプリカント"がいる。
リック・デッカード捜査官(ハリソン・フォード)は社会に紛れ込んだレプリカントを見つけ出す警察官だ。あと数年で映画の舞台である2019年に追いつくが、人造人間、スペースコロニーといったものが当たり前に普及する気配はない。
最近、30年後の世界を舞台にした続編が発表された。しかし30年後であっても1作目のような世界が日常になっているとは思えない。いずれにせよ、次なるブレードランナーの予言が当たるかどうか答えが出るのは2049年のことだ。
・9. 2001年宇宙の旅
2001: A Space Odyssey Official Re-Release Trailer (2014)
SF映画史上の最高傑作に挙げられる本作品。劇中で描かれたいくつもの未来の技術が、後に現実に登場している。
本作品がリスト入りしたのは、宇宙旅行の時系列に問題があるからだ。現段階では木星はおろか、火星への有人飛行も実現しておらず、2001年にHAL 9000のようなコンピューターも開発されていない。
制作当時、スタンリー・キューブリックらは最新の宇宙技術について綿密な調査を行なっており、映画にリアリズムを与えることに成功した。
同時に、未来的な雰囲気を演出するために現実の科学者を追い抜く必要もあった。このために興味深い技術が映画に登場しているが、それは現在と過去の趣を持つ。
例えば、電話付きのブリーフケースだ。これはタブレットやスマートフォンとの類似点が見られるが、いずれにせよ2001年には登場していない。
『2001年宇宙の旅』には、現代社会を超えている技術と古い技術が混在している。時系列の点ではまったく未来の予測を間違っていたが、方向性の点では正しかった。
・8. 2012
2012 - Full HD trailer - At UK Cinemas November 13
2012年に世界が滅亡すると告げた古代マヤの予言を題材とした2009年の作品。無論、予言は外れた。だが劇中では地球の核が熱されたことで気候の大変動が発生し、地震や津波が頻発し、イエローストーンが噴火した。これらは個別にはどこかの時点で起きる可能性があるが、近い将来は大丈夫そうだ。
2012年の終末論は、マヤが予言した最後の日の後にNASAによって完全に否定された。そもそもマヤ人は2012年12月21日が世界最後の日であるなどと予言していなかったのだ。そのマヤ歴はその日で終わっていたが、別のものが通常のカレンダーのように始まっていた。
終末論の背景にあったもともとの話は、シュメール人が発見した謎の惑星が地球に衝突し、2003年5月に地殻大変動を起こすというものだった。が、その日を過ぎると今度は2012年に変更された。
映画はネットに流布していた妄想を題材とした。だが現実の2012年には地球に迫る脅威は存在していなかった。
・7. バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2
Back to the Future Part 2 Official Trailer #1
作品の舞台は2015年。作品が公開された1989年からおよそ30年後の世界を描く。映画ではホバーボード、自動で紐が結ばれるスニーカー、空飛ぶ車などが登場したが、2015年には登場しなかった。だがもうそろそろできそうだ。(自動で紐が結ばれるスニーカーについては、ナイキがオマージュとして限定版を作っている)。
どちらかと言うと、主人公のマーティは未来よりは過去の体験をしたかのようにも思える。本作では、ファックス付きの郵便箱など、当時すでにあった技術を未来風に作り変えて未来感を演出しているからだ。
一方、ビデオチャットなど、実現したものもある。小さな食品のパックを入れると、普通の料理が完成するフード加湿器のような機器も登場していないが、食品プリンターでこれも将来的に実現しそうだ。
・6. ターミネーター
Terminator: Salvation (2009) Official Trailer
第1作目のターミネーターは2029年から転送されてきたという設定だ。また『ターミネーター4』は2018年を舞台に戦いを繰り広げているが、戦争が勃発したのはもっと前のことだが、その時点で存在しているはずのターミネーターはまだ実在しない。
人工知能については、その危険性が議論されているところだが、映画では最悪のものとして描かれている。このテーマは、殺意を抱いたHALなどでも取り扱われており、人間としての我々が人工知能を開発する際に細心の注意を払わねばならないことだ。
本シリーズに登場するような高度なAIは現実世界ではまた開発されていないが、世界は確かにその方向へ向けて動いている。さて、AIは創造主である我々を敵とみなすだろうか?
・5. タイムコップ
Timecop (1994) - Theatrical Trailer HD (Official)
2004年を舞台とする本作品ではタイムトラベルが実現している。しかし現実には、タイムトラベルはSFの中のみの存在でしかない。
また本作品にはきわめて高度な自動運転車も登場する。1994年の映画公開当時は夢の技術でしかなかったが、こちらは徐々に実現性が高まってきている。
劇中の車は音声認識機能を備えている。映画の技術レベルにはまだ及ばないが、声で命令を与える技術は今後もますます発展することだろう。いつの日かこれらの技術が組み合わされ、行き先を告げれば、そこへ連れて行ってくれる車が登場するのだろうか?
・4. ローラーボール
Rollerball Official Trailer #1 - James Caan Movie (1975)
本作品は2018年を大企業によって完全に支配された世界として描いた。人々の闘争心は、ローラーボールという都市チーム対抗スポーツによって解消される。映画の時代まであと1年あるが、これが実現する確率はかなり低いだろう。
本作品で面白いのは、社会が政府ではなく、企業、つまり株式会社によって支配されていることだ。株式会社とは株主が所有する独立した法人のことだ。その行動や負債に対して法的な責任を負うのは株主ではなく、株式会社だ。
会社で構成された世界は、個別の事業を中核とする実体で構成されており、その会社はさらに業態に関わらず断片的に人から所有されるのである。きわめて興味深い世界だが、実現する可能性はあるのだろうか?
・3. ニューヨーク1997
Escape From New York Official Trailer #2 (1981)
全体がまるまる凶悪犯罪者用の刑務所になった1997年のマンハッタンを描く作品。かなり突飛な作品だが、同じような設定で2013年のロサンゼルスを舞台とする『エスケープ・フロム・LA』という続編兼リメイクも作られた。
1作目も2作目も予言は外れてしまった。本作品ほどの規模で犯罪者が集められる現実はまだきていない。
・2. マッドマックス
Mad Max 2: The Road Warrior (1981)
世界が滅亡したらしき後の世界を描く本シリーズの時代を特定することは困難であるが、1984年のジョージ・ミラー監督のインタービューから、1作目は90年代後半から2018年の間の出来事であることが分かる。
1作目と2作目の間では、世界はならずものによって支配され、物資にも乏しい荒涼とした世界になっている。世界が荒廃してしまった理由は不明だが、核の死の灰と気候の変動とに関連があるようだ。現実世界はこうした状態にはなっていないが、いつの日か似たような運命を辿らないとも限らない。
・1. デス・レース2000年
Death Race 2000 OFFICIAL Trailer
ローラーボールにも似た、どういう訳か危険なスポーツに熱狂する世界を描く。1975年の本作品中では、2000年の未来における唯一の娯楽が暴力的な長距離カーレースということになっている。それは過剰な人口を抑制するための手段であるらしく、ドライバーは何の罪もない歩行者を惨たらしく轢き殺すとポイントを獲得することができる。
現在、人口爆発はますます懸念されるようになっているが、17年前はここまで極端な手段に訴えるほど心配されていなかった。
テクノロジーの発達によって社会が安全かつ快適になるにつれて、死亡率は下がり、寿命は延びる。結果、地上には人が溢れる。これは常に警戒しておくべき問題であるが、無謀な大陸間レースで対処されることはないだろう。
via:10 Movies That Got The Future Horribly Wrong/ translated hiroching / edited by parumo
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