世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第233回 遠のくインフレ目標の達成 (3/3ページ)

週刊実話

ところが、物価は一向に上がらず(緊縮財政をやっている以上、当たり前だが)、日銀の目標達成時期は先送りが繰り返された。
 そもそも、日本銀行は'15年度のインフレ率2%達成を目標として掲げていた。すなわち、「2年で2%達成」である。ところが、目標達成時期はすでに6回も延期され、ついに'19年度に先送りされてしまった。すなわち、黒田総裁の任期中の目標達成は「不可能」であると、日銀自ら認めざるを得ない状況になったのだ。
 日銀がおカネを発行したところで、政府が緊縮路線を改めない限り、物価は上がるはずがない。そういう意味で、日銀首脳部が本気で目標を達成したいならば、政府の緊縮批判を展開しなければならないわけだが、「デフレは貨幣現象」という、奇妙な論理で政策を続けてきた以上、今さら「政府が緊縮財政すると、日銀がおカネを発行したところで物価は上がらない」という真実を認めることもできないのだろう。

 日本は、いわゆるリフレ派の「考え方」により、5年を無駄にした。それでも、リフレ派の学者連中は誰一人責任を取ろうとせず、今も要職に就いたままである。

みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。

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