「奇跡の逆転満塁弾」2007年夏の甲子園 佐賀北優勝の舞台裏 (3/3ページ)
野村のこの日125球目がど真ん中に吸い寄せられていったのは、あるいはストライクゾーンの揺れに戸惑った影響があったのかもしれない。
「打った瞬間は、ホームランだとは思わなかった。感触がなかったですからね。よくてもレフトを越えるくらいかな、って。だから一塁まで全力疾走でしたよ」と、副島は振り返る。
副島の打った打球は、満員のレフトスタンド前段に吸い込まれた。逆転満塁ホームランで5-4。佐賀北が試合をひっくり返したのだ。
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甲子園を見ていると、信じられないような結末に終わる試合が、毎年ある。
それが「奇跡」なのかは誰にもわからないが、たとえ奇跡だったとしても、そこに至る過程があり、高校野球の魅力はその過程にあることは本書が物語っている。
前年県大会初戦敗退の公立校が、強豪校を次々と破り、全国制覇を成し遂げたのはなぜか。本書を読めば、あの逆転劇が「ただの奇跡」ではないことがわかるはずだ。
(T・N/新刊JP編集部)