「奇跡の逆転満塁弾」2007年夏の甲子園 佐賀北優勝の舞台裏 (1/3ページ)

新刊JP

『佐賀北の夏』
『佐賀北の夏』

10年前、2007年夏の甲子園決勝は、佐賀北(佐賀)と広陵(広島)の闘いだった。

高校野球ファンなら、近年の高校野球でもっともドラマチックな試合として記憶に残っているのではないだろうか。「甲子園には魔物が棲んでいる」とか「野球の神様」といった、使い古された言葉が思わず頭に浮かぶような試合だった。

結果からいえば、「佐賀北の“奇跡の逆転勝利”」だ。しかし、本当にそれは「奇跡」だったのだろうか?

■2007年甲子園決勝「奇跡の逆転満塁弾」が生まれるまで

『佐賀北の夏 甲子園史上最大の逆転劇』(中村計著、新潮社刊)では、前年夏、佐賀県大会で1勝もできなかった佐賀北が、なぜ甲子園に出てきた名だたる強豪私立を立て続けに撃破し、日本一になれたのか、緻密な取材から佐賀北優勝の軌跡に迫る。
なお、本書は2017年7月に集英社文庫より「あれから十年のインタビュー」を追加した完全版『佐賀北の夏』が出版されているが、この記事では新潮文庫版を取り上げている。

佐賀北は県立高校だが「普通の公立校」というわけではない。野球部には1学年当たり7人のスポーツ推薦枠が与えられており、レギュラーメンバーのほとんどはスポーツ推薦の選手たち。県内ではそれなりに名の通った選手たちの集団だった。ただし、あくまでも「佐賀県内で」という但し書きがつく。全国レベルで見れば「強豪校」とは程遠い。

あの夏、準々決勝で対戦した帝京は、全国レベルの強豪校の代表格だ。全国制覇3回の実績を持つ、「高校野球のシンボル」的な高校と、九州でもっとも少ない参加校数41校の佐賀県代表の公立校。データを突き合わせる限り、帝京優勢というのが大方の予想だった。

ただ、結果は予想と逆になった。数段格上と思われていた帝京相手に、佐賀北ナインはまったく臆することなく競り合い、延長の末、4-3で押し切ってしまう。

帝京の監督、前田三夫は敗戦後「長打の選手は長打、単打の選手は単打と、役割分担がはっきりしていた。

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